海外メディアは大坂なおみの全米OP1回戦敗退に厳しい見解…「失望の1年」「悪い流れは続く」
テニスの全米オープンの女子シングルス1回戦が30日(日本時間31日)、米国ニューヨークで行われ、2018、2020年の覇者で、世界ランク44位の大坂なおみ(24)は同19位のダニエル・コリンズ(28、米国)に6-7 、3-6のストレートで敗れ、7度目の出場にして初の1回戦敗退となった。大坂はコリンズと過去に3度対戦して全勝だったが初の黒星。大坂は5月の全仏オープンで1回戦負け、6月のウィンブルドンはアキレス腱の故障で欠場していた。その後も腰痛に見舞われてランキングを上げることができず今大会はノーシード。試合前には「不安がある」と発言していたが、その言葉通りの結果となり、海外メディアの間にも波紋が広がった。
2日前にサーブ練習を始めたばかりだった
2度制覇した全米のコートでも大坂の復活はならなかった。 5月にアキレス腱を痛めてウィンブルドンは欠場。今大会前には腰痛に悩まされ2日前まで本格的なサーブ練習はできなかった。一方の相手のコリンズは、今年の全豪OPで初めてグランドスラム決勝に進出し、一時、世界ランキングを7位まで上げてきた急成長中の強打のストローカーだが、彼女もまた首の故障で7月までトレーニングができていなかったという。大坂は3ゲームを先取するなど好スタートを切ったが、タイブレークの末に落とし、第2セットは相手のミスにつけこむこともできずに完敗。今季の4大大会は1月の全豪OPの3回戦が最高という納得のいかない成績で終えることになった。 大坂の1回戦敗退のニュースは海外メディアも大きく取り上げた。 地元のニューヨークポスト紙は「大坂が米国のコリンズに1回戦で追い出される」との見出しを取り、「大坂はグランドスラム大会で立て直すことができなかった。彼女は最近成長著しい米国のコリンズと1回戦で対戦する厳しい組み合わせに見舞われた。両選手は素晴らしいプレーでとことん戦い抜いたが、大坂にとって1月の全豪オープンで決勝に進出し、今大会第19シードのコリンズは獰猛すぎた」と大坂の敗戦を伝えた。 ワシントンポスト紙は、「1回戦というよりも準々決勝のように感じられた強打の2選手による夜遅くの試合はコリンズが大坂を破り、全米OP2度の優勝者の今季のメジャー大会を失望の1年で終えさせた」と報じた。 同紙は大坂の敗因について「コリンズは過去に大坂に3敗していたことで、より自由に楽な心境になっていた。敗戦したことで大坂を攻略するための重要な情報を得ていた。コリンズが勝利したポイントの1つとなったのは、大坂のサーブでリターンの位置を変えることだった。それが重要な局面で大きな効果をもたらした。コリンズは第2セットで3つのブレークポイントのうち2つを奪い、大坂の反撃を抑えこんだ」と分析した。 また「世界ランキング44位の大坂にとっては、腰の故障が再発せずに火曜日の試合をやり通せたことがただうれしかった。彼女は『日曜日(2日前)にサーブ練習を始めたばかりだった』と明かした」とし、大坂の試合後コメントを紹介した。 「みんなが故障と戦っている。私にとって今年は、そのことがより目立っていたけれど、学ぶことのできる経験だと思う。体のことをより深く分かって、何に弱いか、それを防ぐにはどうしたらよいかを学ぶことができた。このスポーツはとてもフィジカルなことは確かだけれど、やりこなすことが私の仕事になる」