企業の2025年景気見通し...「回復」局面5年ぶり1割以下、「悪化」増加 ポイントは「個人向け減税」で消費拡大なるか
2025年の景気見通しについて、「回復」局面と予想する企業が5年ぶりに1割を下回り、全体的に不安視する企業が大半であることが、帝国データバンクが20204年12月25日に発表した「2025年の景気見通しに対する企業の意識調査」でわかった。 【ひと目でわかる】2025年の景気は?「悪化局面」23.9% 急速な円安加速による原材料費の高騰、人手不足の深刻化など、悪材料が目白押しのうえ、トランプ氏の登場と不透明感が増していることが影響しているようだ。 日本経済はどこへ向かうのか。調査担当者に聞いた。 ■原油・素材価格上昇、人手不足に加え、トランプ氏が波乱要因 帝国データバンクの調査(2024年11月18日~30日)は全国2万6880社が対象で、1万939社から回答を得た。 2025年の景気見通しを聞くと、「回復」局面になると見込む企業は、昨年同時期調査から5.1ポイント減の7.7%となり、5年ぶりに10%を下回った。また、「踊り場」局面は41.7%(同0.4ポイント減)と2年連続で4割を上回った。他方、「悪化」局面は、前年比3.6ポイント増の23.9%だった【図表1】。 業界別でみると、「回復」局面では『金融』(10.1%)が唯一1割を超え、以下『不動産』(9.5%)、『サービス』(8.8%)が続き、『小売』(4.7%)が最も低かった。他方、「悪化」局面では『小売』(31.7%)が3割台で最も高く、『農・林・水産』(25.7%)、『建設』(25.2%)が続き、『金融』(15.1%)が最も低かった【図表2】。 2025年の景気に悪影響を及ぼす懸念材料を聞くと、「原油・素材価格(の上昇)」(46.2% )が最も高い。次いで「人手不足」(41.6%)、「物価上昇(インフレ)」(31.5%)、「為替(円安)」(30.7%)が続いた。 さらに、日本銀行の追加利上げが予想されるなかで「金利(の上昇)」(24.1%)による景気への悪影響のほか、トランプ次期米大統領の政策転換への不安感などから「米国経済」(17.1%)への懸念が大幅に高まっている【図表3】。