「希望の党」設立会見(全文1)寛容な改革の精神に燃えた「保守」
地方分権も言葉だけではなく真剣に改革必要
私は現在、都知事をいたしております。そして先日も23区内の大学の定員は抑制をするということを大臣告示で行うという話を聞いて大変ショックを受けました。もうその流れはすっかりと全国知事会の中でもできている。東京一極集中の問題はそうやって学生が多いことだ。極めて単純な話で今、結論を出そうとしている。 そのうちの1つかもしれませんが、どうでしょうか、わが国の大学の最高峰といわれている東京大学におきましても、アジアの中でも1位を保ってきた。しかしここ数年、じりじりとそのランクを下げ、今やシンガポール大学にとうの昔に抜かれてしまっている。世界で見てどうでしょうか。オックスフォード大学や世界の名門校の中に、東京大学は2017年の段階で39位であったのが、2017年の段階ですでに46位と、じりじりとそのランクを下げております。 私が経済キャスターをしていたころの世界の企業の時価総額、これを比べてみますと90年代初めは1位は日本のNTTでございました。そしてそのあとに続くのは日本の銀行がだーっと続いていた。ジャパン・アズ・ナンバーワンという言葉、本もございました。しかし、その後はどうか。2000年代に変わりますと、その時価総額の順位は中国の企業がだっと並びます。そして今、どうでしょうか。最新のところではAmazonであるとかGoogle、こういったところが世界の1位となっているわけでございます。ちなみにAppleが1位でございます。 一方で、わが国を代表するような名門企業が今、瀬戸際に立たされている。さあ、これからこの日本はどうやって食べていくのか。どうやって安心した生活を行っていくのか。私は自由民主党の中でも党税調の端くれのほうにおりましたけれども、毎日、ほふく前進するかのような改正が行われて、それが風物詩のようになっている。しかしその1ミリ1ミリの変化では世界の変化に付いていけない。 そんな危機感を抱き、私はまず東京で改革していこうと思い、都知事選に挑戦をいたしました。仲間を募って都議選にも挑戦をいたしました。しがらみのない、逆に言えばサポートしてくれる団体はない、そのような選挙ではございましたが、お1人お1人の有権者は変えてくれよと。そして日本に、東京に希望を抱かせてくれよ。そんな思いが街角に、そして街じゅうにあふれておりました。そういう中において私は日本、津々浦々、北海道から沖縄まで事情は違います。だからこそ地方分権もしっかりと、言葉だけではなく真剣にそれを改革していかなければならない。地方に合った改革をしていかなければならない。しかし全国知事会のほとんどは霞が関出身の方々で、むしろ中央集権を促進するかのような動きとなっている。今こそしがらみのない政治、しがらみのない改革を大胆に行っていかなければなりません。