「エサ代だけで毎月60万円」…看取り医がみた、鳥マニアの親子が暮らしていた「命を縮める部屋」の凄まじい実態と「恐ろしい病気」
医師の説得の結果は…
さて…頃合いを見計らって本題に入った。 「今までの主治医に職歴とか、吸入歴とか、ペットの飼育歴を尋ねられませんでしたか?」 「さあね」 一気に雰囲気が最悪になった。いつも、この態度で入退院を繰り返してきたのかもしれない。 「お父さんの病気の原因は、この鳥によるものと考えられます」 笑顔は崩さず、それでいて断定的な口調で伝えると、息子はキレた。 「そんなこと知ってるよ。鳥飼病だろう? でも、一緒に住んでいる俺は何も起きないんだぜ。どの医者も鳥が悪い、鳥が悪いって、ほんと煩いんだよ」 …私も、その日でお払い箱になった。 とはいえ、その後も患者が呼吸困難を起こすたびに、「父が死にそうだ」と私は呼ばれ続けた。多くは真夜中で、ステロイドを点滴で使用して治まった夜もあるが入院騒ぎにもなった。 そして、ある時から呼ばれなくなった。新しい医師や入院先ができたのか…はわからない。 改めて言うが、いま私が接しているオタクたちは、みな付き合いやすい。収集した彼らの貴重な宝物をみせて貰えるときは、私も楽しくて仕方がない。しかし、一部に拘りが強いオタクのケースがあり、我々を難渋させるのだ。 ※プライバシー保護のため、一部患者の情報を改変してお伝えしております。ご了承ください。 【つづきを読む】「「このことは誰にも言わないで」…看取り医が驚いた!ペット禁止の市営住宅で捨て犬を飼い始めた、孤独な高齢者に起きた「身体の異変」」
平野 国美(医師)
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