「発達障害」と疑われたら…脳の育て方を見直すべき。子どもの土台となる“脳の育て方”
脳育てのポイント
(1)生活リズムを整える からだの脳育て。「早寝早起き朝ごはん」は、1歳ごろから始めて、一生続ける。成人しても、生活習慣病など健康を守るためにも続けたい。 (2)軸をもつ 子育てでなによりも大切なこと。生活リズムを整えることを軸にして、ブレさせない (3)子どもを信じる こころの脳育て。子どもを一個人として信じる。心配しすぎて過干渉にならないように。例えば、下記のようなことを心がけよう ・子どもとくっつきすぎない ・コミュニケーションをとる ・家庭にポジティブな雰囲気をつくる ・ストレスに対処する ・子どもに役割をもたせる
環境が脳の育ち方に影響を及ぼす
脳を順番どおりに育てることが大切ですが、その過程で環境が整っていないと、からだの脳におりこうさんの脳が、さらにこころの脳がつみあがっていきません。 注目したい環境は3つです。家庭環境のうち大きな部分をしめるのは親子関係です。また、電子機器は学校でも使用するので教育環境の面もありますが、ゲームやスマホの使いすぎ、テレビの見すぎなどは家庭環境です。 (1)生活リズム 共働きの両親が増えるとともに、習い事などで子どもの生活も夜型になり、食事と睡眠のとり方がバラバラだったり不十分だったりしている→「早寝早起き朝ごはん」をめざそう (2)電子機器 テレビやスマホ、タブレットなどの電子機器の使用は、脳の発達を阻害する。小学校でタブレットを使用するが、それ以前に家庭で電子機器を使用しすぎていないだろうか→電子機器は5歳までは遠ざけ、10歳までは親が管理しよう (3)親子関係 子どものためによかれと思って親のしていることが、脳の発達の足を引っぱっていることがある。子どもに「発達障害」が疑われるとき、親子関係でとくに注意したいのは溺愛、干渉、矛盾の3つ。これらは連関していて、脳育ての3大リスクともいえる ・溺愛 過度に甘やかし、親が子に服従するような態度をとると、子どもはわがままになる。親に管理されていないと自分が管理できなくなる ・干渉 親が過度に世話を焼き、過保護といわれる状態。干渉が過ぎると、子どもは自分で はなにもできなくなる ・矛盾 親が子に言うことと親自身の言動が異なる、日によって言うことが違うと、判断の基準がぶれるので、子どもは不安定になる
溺愛が干渉と矛盾のベースになっている
溺愛の問題は、それが干渉につながりやすいことです。干渉を続けていくと、矛盾が生まれてきます。子どものよい点を認めることは大切ですが、なんでも受け入れてわが子の言いなりになることとは違います。 続きは<子どもの脳、十分に育ってる? 脳を育てるために、親が子どもに「スマホ」より与えるべきもの>で公開中です。
成田 奈緒子(発達脳科学者)