後ろ姿って気にならない? デザインに時代が追いつかなかった…[見返り美人]なクルマたち
■マツダ・RX-7(最終型)「前から見ればスポーツカー、後ろから見れば警察官?」
量産車で唯一ロータリーエンジンを搭載するスポーツモデルとして、四半世紀に渡って活躍したRX-7。 3代目のFD3Sは、全長と全高を縮小しながら全幅を拡幅し、ワイド&ローが強調されてよりスポーツカーらしいフォルムになった。コンパクトなキャビンやダブルバブルルーフ、張りのあるフェンダーなども走りを感じさせる造形だ。 そして、このスタイリングは生産終了から20年以上経った今でも、世界中で高く評価されているのだ。 そんなFD3Sのなかで、唯一気になる部分が、スモーク処理されたテールランプとリアガーニッシュ。ジッと見ていると、なんとなく赤塚不二夫先生の某マンガに登場する警察官キャラに見えてこないだろうか……。 美しくカッコいいスタイリングと、真逆の印象を受けるちょっぴりユニークなリアビュー。このギャップがむしろクセになる!?
■日産・レパードJフェリー「日本では受け入れられなかった尻下がりスタイル」
レパードといえば多くの人があぶデカに登場したF31をイメージするだろうが、個性が際立っていたのはその次の世代のJ.フェリーだ。 エレガントをキーワードにデザインされたエクステリアはエクサ同様NDIが手掛けたもの。クルマ全体をひとつのカタマリとして表現し、ボンネットからトランクにかけて続く緩やかなアーチラインが美しい。 その一方、リアビューは独創的だ。「尻下がり」と表現される特徴的なシルエットを持ち、横一文字のテールランプは両サイドに向かって細くなる弓形となっている。 これらにより、高級車の持ち味である威圧感や存在感とは無縁の柔和なデザインになってしまったのだ。また、見ようによってはナメクジのようにも……(失礼)。 クルマとしての完成度は決して低くなかったが、デザイン面がマイナス要素となり日本での販売が低迷した不運のモデルだった。
■WiLL Vi「独創的な絶壁ルーフは馬車をイメージしたもの」
トヨタを含む5社による異業種合同プロジェクト「WiLL」から誕生したコンパクトカー、WiLL Vi。同プロジェクトの統一コンセプトが「遊びゴコロと本物感」だけあり、WiLL Viも遊びゴコロ満点のクルマになっている。 エクステリアは各所に個性的なモチーフが取り入れられており、フロントマスクはおおらかなフード面に縦長の四角いヘッドライトを配して和やかな表情を構築。 ボディサイドはエッジを効かせたブリスターフェンダーが力強さを表現。そして、なんといってもクリフカットと呼ばれる馬車を連想させるルーフエンドが最大の特徴だ。 フロントと同じ造形をテーマとした和やかなリアデザインに、この斬新なルーフ形状を組み合わせたリアビューはまさに奇想天外。 ちなみに、標準ルーフとキャンバストップの2タイプがラインナップされていた。