02年皐月賞をノーリーズンで制したブレット・ドイル騎手

　「あっ」。英ダービー馬シティオブトロイが行った20日の公開調教。その数時間前にシティオブトロイの調教パートナー4頭と騎乗者の名前がサウスウェル競馬場からSNS上で発表され、思わず声が出ました。「ブレット・ドイルの名前がある」「え、マジ？」。 　ブレット・ドイル。発表されたゼッケン1番の馬（コンゴリヴァー）の鞍上は日本のクラシック、02年の皐月賞を15番人気のノーリーズンで勝って、多くのファンをアッと言わせた、あのブレット・ドイルでした。英国出身で、香港で結果を出し、02年の2月に来日。皐月賞を勝った後はダービーに騎乗せず、わずか2カ月で日本を離れています。 　レーシングポストのホームページで検索すると、英国では20年を最後に騎乗の記録はなく、BHA（英国競馬統括機構）のホームページで「ドイル」の名前の騎手を調べると、現役で出てくるジョッキーは、ジェームズ・ドイル（キングマンやアルカジーム、シーオブクラスなどの名馬で知られる名手）、ホリー・ドイル（日本のファンにもおなじみ数々の記録を作っている女性のトップジョッキー）、アラン・ドイル（障害競走で騎乗）の3名でした。 　18年にゴドルフィンのマサーが英ダービーを勝ったとき、英国メディアでブレット・ドイル騎手が同馬の調教をつけていたという記事を見ましたが…。突然、出てきた名前に驚きと懐かしさが…。 　5頭立てのレースコースギャロップ（実戦形式の追い切り）でコンゴリヴァーは先頭に立ってペースをつくり、直線失速。しっかりと役目を果たしたように見えました。騎乗時は黒いゴーグルを着用していましたが、サウスウェル競馬場がX（旧ツイッター）に投稿した写真には、エイダン・オブライエン調教師との打ち合わせ中、ライアン・ムーア騎手の隣に立って、つぶらな瞳で腕組みしているブレット・ドイルの姿がありました。 　ノーリーズンの皐月賞、強かったなあ。【競馬デスク＠大阪中之島】