値上げ、物価高はどこ吹く風~74円均一で話題の激安王を大解剖
孝行は1985年に明治大学を卒業後、リクルートに入社。法人の営業担当となり、経営管理のスキルを磨いた。そんな息子を会社の将来のためにと呼び寄せたのだ。 「リクルートの仕事はノルマもきつく楽しくはなかったです。だから呼び寄せられたのは渡りに船のところもありました。儲かっている会社の仕組みやどうすれば仕事を取れるかという基本を学ばせていただいた」(孝行) 孝行は期待に応えて、1991年に水元店(2号店)の店長を任されると売り上げを大きく伸ばした。 2006年、秀貢は社長の椅子を孝行に譲り現在の体制を築く。すると孝行は足立区の1号店を中心に多店舗化。7店舗まで増やし、ゑびすやの商圏を広げた。「安さならゑびすや商店」というイメージを地域に植え付けていった。
89歳も、勤続年数30年超えも~パートに権限与えてやる気アップ
ゑびすや商店を支える130人の従業員の約8割はパート従業員だ。パートさんの平均年齢は65歳とかなり高め。勤続年数が30年を超える人も珍しくないと言う。 「人が物を売るんだもん。人がいないと売れない。うちはパートさんが社員よりも重要な戦力になっている」(秀貢) 最高齢の梶川孝太郎(89)は「仕事をしないと体がなまっちゃう」と、元気に働いている。
また、菓子売り場担当の井出チト子(75)はパート歴35年の超ベテラン。卸業者との仕入れ交渉や売り場での販売価格の設定まで任されている。 「儲けの利幅が決まっているので、それ以下の値段にしてはダメなの」(井出) パートにここまで任せる会社はなかなかない。仕事が生き甲斐だと言う。 「ただ言われたことをやるのは面白くない。自分で仕入れて、それが売れて、『今日は儲かった』というのが楽しい」(井出) やる気のあるパート従業員がゑびすやに活気を生んでいるのだ。
「ゑびすや」の新たな挑戦~茨城にフランチャイズをオープン
ゑびすや商店で新店舗の話が茨城・取手市で進んでいた。秀貢がその現場を訪れた。 今回は、中国出身の「グローバル一通」金田真次郎さんとタッグを組む。金田さんは日本のECサイトで中国や韓国の雑貨を売ってきたが、今回、実店舗での販売を決意。そこで名前を知られた「ゑびすや」のフランチャイズ加盟を申し出たのだ。 「うちは知名度が低いので、ゑびすやさんと提携し実店舗を持つと、ネット中心だった販路が開拓され市場が広くなる。そこに勝ち目があると思うんです」(金田さん) ゑびすや商店にとってはフランチャイズ店が1軒増えるだけではない。ここを仕入れルートとして活用し、中国産や韓国産の新たな激安雑貨を手に入れようとしているのだ。 商品を見て回っていた秀貢が最も食い付いたのが、1箱20個入りの水を吸い込ませて花を挿す生花用スポンジ。サイトでは3280円で売っていたが、秀貢の値付けは「1箱200円」。ゑびすや商店は新たな仕入れルートを確立。激安の品揃えがさらに充実する。 「中国、韓国の輸入雑貨を中心とした商材、まだ知られていない魅力的な商材がアジアにはたくさんあるので、それを仕入れられるメリットもあるかな、と」(孝行) ※価格は放送時の金額です。