<ボクシング>異色のリーゼントボクサーが最強王者への挑戦を熱望!
引退危機に直面していた東洋太平洋Sバンタム級王者、和気慎吾(27歳、古口ジム)の再起が決定、2月27日に後楽園ホールでジミー・パイパ(21歳、フィリピン)と5度目の防衛戦を行うことが明らかになった。 諸事情からWBA、WBO世界Sバンタム級統一王者のギジェルモ・リゴンドー戦を回避したことで“リゴンドーから逃げた男”と汚名を受けているが、「逃げた気はさらさらない。チャンスをもらえるならリゴンドーとやりたい」と断言。同じく再起を決めた元2階級王者、長谷川穂積(真正)との対戦について一部の週刊誌に「弱い者イジメはしません」と発言したが、その発言の真意についても説明した。引退危機を回避した異色のリーゼントボクサーは、2015年の風雲児となれるのか?
あの舞台に立っているはずだった。大晦日。スパーリングでも何度も拳を交えていた天笠尚(山上)が最強の統一王者、リゴンドーから2度ダウンを奪い、あわやの大善戦をした試合は、複雑な感情を抱いてテレビ観戦した。 「天笠さんの1パーセントにかけた気持ちが伝わってきた。ひるまなかった。一発を持っている人ですよね。あと半歩で勝てました。僕も悔しい思いでした。同時に、あのリングに立ちたい、リゴンドーと次は俺がやりたいと、強く思いました。確かにリゴンドーは上手かったが、俺ならば、という気持ちはあります」 一度は、リゴンドーの挑戦者に指名されたのは和気だった。だが、テレビ局間の思惑やいろんな人間関係に巻き込まれて、結果、試合を辞退して行方をくらましてリゴンドー戦は消滅。所属ジムの古口哲会長、及び周辺関係者の怒りを買って、一時は、事実上の引退危機に追い込まれた。 「リゴンドーから逃げた気はさらさらありません。でも、自分が弱かったんです。一時は、もう本当にボクシングができなくなる、引退するしかないのかと考えたことも事実です。でもタイミングは、今じゃなかった。そう前向きに考えています。」 だが、その後、関係者の尽力もあって古口会長、及び後援者に謝罪を繰り返して和解。再び世界をターゲットに歩み始めることが決まった。その第一歩が、東洋のベルトのV5戦。相手はフィリピンのパイパだ。「パンチはそうないが、スピードはある。KOにこだわるわけではないが、ポイントアウトでも全ラウンドを取るくらいの圧倒した内容で勝たないと、世界は語れないでしょう。過信にならない自信を持って戦います」という。