最近よく聞く「非認知能力」って何? 注目が集まる“勉強だけでは身につかない力”
非認知能力ってどんな力なの?
ちなみに、みなさんは、これまで非認知能力なんて言葉ではなく、もっと以前から慣れ親しんできた別の言葉(名前)を使っていませんでしたか? そう、「心」です! 強い心、たくましい心、やさしい心……このような心を育んでいくことの大切さを、これまで出会ってきたいろいろな大人たちから伝えられてきたのではないでしょうか。 それは、私たちの中にある内面的なものであったり、人に対する社会的なものであったりするでしょう。 いずれにしても心を育てることが大切であるという点は、いつの時代も変わらず続いてきたといえるでしょう。 では、もう少し具体的に非認知能力について説明していきましょう。【点数にできる力と点数にできない力】の図をご覧ください。 このように、非認知能力は右側に位置づけられます。 具体的には、自制心や意欲、コミュニケーション力や協調性などを挙げていますが、これらはあくまでもごくごく限られた一例にすぎません。 ほかにもたくさんの力があり、その一つひとつについては、心理学や脳科学など、世界中で以前から研究されていました。 そのため、特に新しいものではありません。 今、何が特徴的なのかというと、これらすべてを含んだ総称として「非認知能力」という言葉が使われているという点です。 心であれ、人間力であれ、非認知能力であれ……共通しているのは、いろいろな具体的な力たちをまるっとひっくるめて呼んでいることなのです。 だから、「うちの子どもは非認知能力が高い(低い)のよね~」とか「うちの子どもの非認知能力を育てたいんです」という声は、お気持ちはとてもわかるのですが、厳密には正しくないことを知っておいてください。 つまり、うちの子どもは非認知能力の中のどの力が高い(低い)のか、どの力を育てたいのかまで踏み込んでいく必要があるのです。 これは、認知能力(学力)でも同じです。 たとえば、学力だったら国数英理社の五教科全体が高い(低い)とは言わず、数学が特に得意、英語はいまひとつ苦手だと言いますよね。