日本で首位デビュー「シビル・ウォー」制作のA24、新興スタジオが映画界の常識を打ち破る作品で台頭
前出のA24重役も、このパートナーシップに満足だ。「HPSはとてもセンスがよいですし、話していても、いつもよい質問をしてきます。それに、私たちのフィルムメーカーをとても大切に扱ってくれる。これまでも息が合っていた彼らともっと密に仕事をしていけることを、嬉しく思います」。 さらに、小西氏は、このパートナーシップは一方通行ではないという。 「日本の映画を海外で配給してもらう、あるいは日本のクリエイターの作品をA24と共同で企画開発していくというのも、このパートナーシップの狙いです。A24のノウハウ、クリエイティビティを借りて、日本のコンテンツを送り出していきたいと思っています」(小西氏)。
■日本ロケの作品もこれから登場 これから公開されるA24の映画には、日本が出てくるものもある。ベニー・サフディ監督、ドウェイン・ジョンソン主演の『The Smashing Machine』は日本でロケを行い、すでに撮影が終了した。 ジョシュ・サフディ監督、ティモシー・シャラメ主演の『Marty Supreme』のチームも、もうすぐ撮影のために日本に向かう。A24お抱えの監督である彼らの作品で馴染みのある風景を見られるとは、実に興味深い。
ほかには、黒澤明の『天国と地獄』を、スパイク・リー監督、デンゼル・ワシントン主演、ニューヨークを舞台にリメイクする『High and Low』も控える。これらの作品は、日本の観客の洋画への興味を刺激するだろうか。
猿渡 由紀 :L.A.在住映画ジャーナリスト