日本で首位デビュー「シビル・ウォー」制作のA24、新興スタジオが映画界の常識を打ち破る作品で台頭
ガーランドは現在、A24のもとで制作する新たな映画を撮影中。A24が北米配給を手がけた『エクス・マキナ』(2015)で初めて組み、『MEN 同じ顔の男たち』(2022)、『シビル・ウォー』をA24で制作、北米配給したガーランドは、同社と10年近いつきあいになる。 「A24は、監督、プロデューサーを信頼し、その人たちがビジョンを達成できるよう、支えてくれます。それは映画に限らず、彼らがリリースするコンテンツのすべてに見て取れます。私は彼らとすばらしい関係を築いてきました。彼らの協力的なアプローチに、私は感謝してやみません」と、ガーランドはメールにてコメントをくれた。
ほかに、A24は、『ヘレディタリー/継承』(2018)、『ミッドサマー』(2019)のアリ・アスター、『グッド・タイム』(2017)、『アンカット・ダイヤモンド』(2019)のジョシュ&ベニー・サフディ兄弟、『ウィッチ』(2015)、『ライトハウス』(2019)のロバート・エガース、『スイス・アーミー・マン』(2016)、『エブリシング・エブリウェア』のダニエル・クワン&ダニエル・シャイナートなどとも、すばらしい関係を築いてきている。
■アジア系作品も積極的に手がける 世間の風潮にプレッシャーをかけられるまでもなく、ごく自然に多様なフィルムメーカーによる多様なストーリーを語ってきたのも、同社の特徴だ。 北米の配給会社として始まった彼らが初めて制作に乗り出し、オスカー作品賞を受賞した『ムーンライト』(2016)は、黒人の同性愛者の物語。ハリウッドでは長年、黒人よりさらに存在感が薄かったアジア系の話も、『フェアウェル』(2019)、『ミナリ』(2020)、『エブリシング・エブリウェア』、『パスト ライブス/再会』(2023)などで語ってきた。
やはりアジア系キャストが中心のNetflixのシリーズ『BEEF/ビーフ~逆上~』(2003)、西島秀俊、國村隼、ジュディ・オングらが出演し、日本で全ロケをしたApple TV+の『サニー』(2024)も、A24の制作だ。 『サニー』のショーランナー兼脚本家のケイティ・ロビンスは、パンデミック中の日本でロケを実現できたことについて、「それが作品のためにいかに重要かをA24が理解してくれ、私たちのためにがんばってくれたおかげ。本当にありがたいです」と感謝を示す。