夫婦不仲で授かった2人目。つわりに無関心なモラハラ夫、一方必死に支えてくれる長男に「母になってよかった」と思えた
◆息子が、夫婦の絆を結び直してくれた 子どもを産むという行為は、心身共に大きな負荷がかかる。また、子どもの人数に応じて親にかかる経済負担も異なるため、我が子の希望とはいえ、安易に「Yes」を伝えるわけにはいかない。それに加えて、私は元夫との関係性に一抹の不安があった。 元夫は、基本的には穏やかで優しい人間である。しかし、彼の中で何らかのスイッチが入った瞬間、こちらの背筋が凍りつくほどの冷たさを発揮する。不定期に彼が放つ暴言がDVであると認識したのち、私は離婚を決意した。だが、元夫が自身の言動を悔い、「改める」と約束してくれたため、離婚を一旦保留にして親子3人の生活を続けることを決めた。 その後、私が独身時代に患っていたうつ病が再発するなど、さまざまな困難があった。それでも、結果的に私と元夫は、「離婚しない」という選択をした。長男の存在が、幾度となく私たちの関係性を結び直してくれた。 「3!がいいよね!」 まだ言葉が拙かった頃、「お父さん、お母さん、自分の3人」のことを、彼は「3」と表現した。長男にとって、3という数字は揺るぎない家族を表すものだった。離婚の話し合いを重ねる日々において、私と元夫の前でそう言って笑う長男は、幼いながらに何かを悟っていたのだろうか。 「子どものために離婚しない」という考えを、現在の私は持っていない。両親の不仲を連日見せられるのは、子どもの心身に大きな負荷がかかる。それならばいっそ別れて、父親と母親がそれぞれ幸せに暮らしたほうが、子どもの情緒も安定する。だが一方で、離婚が子どもに与える影響を無視するのも違うと思っている。互いに歩み寄る努力もなしに離婚を決めてしまうのは、子どもがいる場合においては早急だといわざるを得ない。どちらにしろ、決められるのは本人だけだ。周りは自分の物差しで好き勝手言うばかりで、なんの責任も負ってはくれないのだから。