J1が狙う? J2で輝く若き逸材10人。恐怖と希望の移籍市場、夏の“個人昇格”は実現するか?
FW:若月大和(わかつき・やまと) 所属クラブ:レノファ山口FC 生年月日:2002年1月18日(22歳) 2024リーグ戦成績:19試合4得点3アシスト 若月大和は、2019年に湘南ベルマーレに特別指定選手として加入し、2020年1月からスイスのシオンに期限付き移籍した。しかし、コロナ禍でチームの活動が停止するなど不運も重なって欧州適応はうまくいかず、2022年に湘南に復帰。その後、湘南で2シーズンを過ごしたが定位置確保に苦しんで、今季完全移籍でレノファ山口FCに加入し、舞台をJ2に移した。 横浜FCとの開幕戦に先発していきなりゴールを決めた若月は、その後しばらく得点が止まっていたものの、第14節のモンテディオ山形戦でゴールネットを揺らした。その後は、第16節・藤枝MYFC戦で得点を挙げたあとには、クラブ公式サイトで「ホーム2試合連続でゴールを決めることができたのは大きな自信になりますが、もっと点を取りたいです」と語り、意欲を燃やしていた。 そして、第20節・ザスパ群馬戦では、見事なショートパスがつながったところから若月のコントロールショットがペナルティーエリア外から決まり、さらに自信は高まっていることだろう。 プロ入り後すぐにヨーロッパへ渡った若月は、その後苦しんだものの、ポテンシャルの高さは多くの人が認めるところだろう。燻っていた才能がブレイクしつつあるのかもしれない。
DF:新保海鈴(しんぼ・かいり) 所属クラブ:レノファ山口FC 生年月日:2002年8月16日(21歳) 2024リーグ戦成績:23試合1得点7アシスト 元サッカー日本代表の田中隼磨の息子としても知られる新保海鈴は、2024シーズンに急激に評価を高めている選手の1人だろう。昨季は育成型期限付き移籍でJ3のいわてグルージャ盛岡でプレーしていたが、現在はJ2のレノファ山口FCに復帰して左サイドバックのレギュラーを務めている。 新保のスタッツで特に目立つのは、アシスト数の7だ。これはリーグ2位の数字である。これだけでも、左サイドから精度の高いクロスボールを供給できることは分かるが、新保の武器はキック精度だけではない。ボールキープの技術も高く、プレーの選択肢が豊富なところも大きな魅力だ。 新保はほとんど助走を取らずに左足で正確なクロスを出せる。相手がこれを警戒していると、スルリと中にドリブルで切り込んでいける。セレッソ大阪U-23時代は、攻撃的なポジションが本職だったこともあり、突破力には自信があるようだ。クロス数、ドリブル数ともにリーグ全体で2位の数字を誇っており、新保の攻撃性能はデータとしても光っている。 キャリアでJ2初得点となった第14節のモンテディオ山形戦では、胸トラップから華麗なジャンピングボレーを叩き込み、FW顔負けの得点センスを見せつけた。J3からJ2へに難なくステップアップした新保は、さらに上の舞台を見据えているかもしれない。