J1が狙う? J2で輝く若き逸材10人。恐怖と希望の移籍市場、夏の“個人昇格”は実現するか?
FW:ブラウン・ノア賢信(ぶらうん・のあ・けんしん) 所属クラブ:徳島ヴォルティス 生年月日:2001年5月27日(23歳) 2024リーグ戦成績:20試合3得点1アシスト ブラウン・ノア賢信は、横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2019年に2種登録でトップデビューを飾り、2020年にトップ昇格を果たした。しかし、分厚い選手層に阻まれて定位置確保に苦しみ、期限付き移籍で複数のクラブを渡り歩いている。 プロの舞台でなかなか結果を出せずにいたブラウン・ノアだが、2021年夏に加入したアスルクラロ沼津で頭角を現すと、その後完全移籍に切り替わり、2023シーズンはJ3で13得点を記録した。この活躍が注目されて、今季はJ2の徳島ヴォルティスに“個人昇格”を果たしている。 J3でゴールを量産した昨季と比べると物足りない数字になっているブラウン・ノアだが、第22節のV・ファーレン長崎戦と第23節のヴァンフォーレ甲府戦で2試合連続で得点を決めており、勢いは増している。189cmの長身を活かして前線で身体を張るだけでなく、サイドに流れてパスを引き出すこともできるため、様々な形でチームに貢献できるタイプのアタッカーだ。 徳島は最近の試合で、柿谷曜一朗がロングスローをゴール前に投げるシーンが増えている。ブラウン・ノアにとってはゴール前の密集は見せ場になるはずで、今後さらに得点関与を増やしていきたいところだ。
DF:山田奈央(やまだ・なお) 所属クラブ:水戸ホーリーホック 生年月日:2002年11月18日(21歳) 2024リーグ戦成績:17試合0得点1アシスト 水戸ホーリーホックで4年目のシーズンを過ごしている山田奈央は、着実に成長を続けているセンターバックだ。 浦和レッズの下部組織で育った山田は、2021年に水戸に加入した。プロ1年目はJ2で1試合の出場にとどまったが、その後少しずつ出場機会を増やし、2023シーズンは24試合に出場。背番号を4に変えた今季は、ここまで不動のレギュラーとしてピッチに立ち続けている。 身長183cmの山田は、センターバックの選手として特別に長身というわけではないものの、スピードがあり、対人守備に強い。J2で60試合に出場している経験からプレーの判断も的確になっている様子で、若手ながら落ち着いて安定感のあるパフォーマンスを続けている。 水戸は17位に低迷しているものの、失点数は27で、下位にいるチームとしては守備が堅い。これをもっと結果につなげたいというのが本音だとしても、2023シーズンの総失点が66だったことを考えると、シーズンの半分が過ぎてこの失点数というのは成長ととらえていいだろう。水戸の守備を支える山田の成長は、これからますます注目が集まりそうだ。