【専門家が警告】“スマホ自動入力”で高額請求がくる理由
子どもの間でスマートフォンの利用が広がり、犯罪に巻き込まれるケースが増えている。 警察庁によると、2023年にSNSをきっかけとした犯罪被害に遭った小学生は139人、中学生は748人、高校生は713人に上った。 子どもの身を守るために、親として何ができるのだろうか。 本記事では、池上彰総監修の『いのちをまもる図鑑』(ダイヤモンド社)で第4章「犯罪からいのちを守る」の監修を務めた危機管理の専門家・国崎信江氏に話を聞いた。 *出典:警察庁「令和5年における少年非行及び子供の性被害の状況」 ● 子どもの課金は、親の責任になる ──『いのちをまもる図鑑』では、子ども向けにスマートフォンとの付き合い方が解説されています。今回の記事でもそのことについて伺いたいのですが、子どもが親のクレジットカードを勝手に使って高額請求がきた場合に、返金対応などは可能なのでしょうか? 国崎信江氏(以下、国崎):詐欺に遭ったのではなく、子どもがゲームなどに課金してしまった場合は残念ながら親が支払うことになります。 もしそんな事態が起きたら、もちろん親が肩代わりするのですが、分割でお小遣いから引くなどして子どもにも払わせる対応を取ったほうがいいと思いますね。子ども自身のために、なかったことにしてはいけないと思います。 そもそも親のクレジットカードを勝手に使える状況がよくありません。カード番号・セキュリティナンバー・有効期限の3つの情報がわかればカードが使えてしまうので、クレジットカード本体をまず子どもには見せない。 あとは親のスマホや家族共有のタブレットで子どもがゲームをしていて、親が過去にネットショッピングをするなどしてクレジットカード情報が学習されていれば、自動入力で課金ができてしまいます。なので、家族共有のタブレットにクレジットカード情報を紐付けないことが大事です。 ● スマホやタブレットの「自動入力」に注意! ──パスワードなども自動入力にしてしまいがちですね。 国崎:そうですね。なので共通で使うものに関してはパスワードやクレジットカードの情報は記憶させず、できればすべてログイン画面にしておくことですね。 子どもによるゲーム課金の場合、未成年者取消権を行使することで契約を取り消すことができる可能性がありますのでまずはコンテンツ会社(プラットフォーム事業者)に相談してみましょう。ただし、親のスマホを使用し親のクレジットカードを使っていた場合、子どもが利用していたことを証明することが難しいため返金が認められないことがあります。 ※本稿は、『いのちをまもる図鑑』についての書き下ろしインタビュー記事です。 『いのちをまもる図鑑』第4章監修者 国崎信江(くにざき・のぶえ) 危機管理アドバイザー。危機管理教育研究所代表 女性として、生活者の視点で防災・防犯・事故防止対策を提唱している。国や自治体の防災関連の委員を歴任。『10才からの防犯・防災』(永岡書店)や『おまもりえほん』(日本図書センター)などの監修もつとめる。
国崎信江/杉本透子