メタプラネット、2025年にビットコイン保有10,000枚超を目指す──元ゴールドマン・トレーダーが経営指揮する日本企業の正体【2025年始特集】
『ビットコイン・マガジン・ジャパン』開始でシナジー効果
ビットコインにウェイトを置いた経営戦略は、ホテルの再開発にとどまらない。 メタプラネットは昨年、ビットコインの専門メディアとして影響力のある『ビットコイン・マガジン(Bitcoin Magazine)』の日本版『ビットコイン・マガジン・ジャパン(Bitcoin Magazine Japan)』の独占運営権を取得した。今年前半には、日本版の運営を始める。 『ビットコイン・マガジン』は、イーサリアムの共同創業者の一人であるヴィタリック・ブテリン氏が大学在学中に記事を執筆していたメディアとしても知られる。 昨年7月、大統領選挙戦を前にテネシー州ナッシュビルで開かれたカンファレンス「Bitcoin 2024」を主催したのも、『ビットコイン・マガジン』を運営するBTC Media Incで、トランプ次期大統領が出席したことで話題となった。 ゲロヴィッチ社長は、「財務指標を超えて、ビットコインについてより多くの人たちが学べる取り組みを進めていきたい。その一環として、日本でのコミュニティ活動の基盤となる『ビットコイン・マガジン・ジャパン』をスタートさせる」と話す。
ナスダックはビットコイン投資企業をインデックスに採用
メタプラネットが注視する経営指標とは何か? ゲロヴィッチ氏は、「BTCイールド」と呼ぶ指標をあげる。 BTCイールド(ビットコイン・イールド)の定義は、「ビットコインの保有総額と、完全希薄化発行済み普通株式数の比率の前四半期の変化率を示すもの」となる。 この指標を先行して導入しているのが、米ナスダックに上場しているマイクロストラテジー社だ。 ヴァージニア州に本社を構えるマイクロストラテジーは、企業向けにリサーチソフトウェアを開発してきたが、ビットコインの購入と保有を継続的に進めてきた事業会社として、暗号資産業界で知らない人はいないだろう。 これまで、マイケル・セイラー社長が指揮するマイクロストラテジーがビットコイン購入を発表するたびに、業界のニュースメディアが取り上げ、その名が知られるようになった。ビットコインの投資戦略を始めた2020年には、一部の株式市場関係者がその戦略に首を傾げてきたが、今となっては市場が見過ごすことのできない株式銘柄となった。 マイクロストラテジーの株価は昨年1年間で6倍以上となり、時価総額は約930億ドルに達し、ナイキ(約930億ドル)の規模に並ぶ。12月、ナスダックはマイクロストラテジー株をナスダック100指数に採用すると発表すると、市場では今年中にもインデックスの「S&P500」に採用されるとの見方が聞かれるようになった。