メタプラネット、2025年にビットコイン保有10,000枚超を目指す──元ゴールドマン・トレーダーが経営指揮する日本企業の正体【2025年始特集】
東京・五反田のホテルを「ビットコイン・ホテル」に変える
もはや驚くことではないが、暗号資産を扱う企業の経営者や幹部には、過去に投資銀行で働いてきた金融マンが多い。メタプラネットもその1社で、代表取締役社長のゲロヴィッチ氏と、最高執行責任者(Chief Operating Officer)で取締役の阿部好見氏は、ゴールドマン・サックスに勤務してきた人物だ。 両氏のほかにも、財務部門を統括する王生(いくるみ)貴久氏はモルガン・スタンレーやGEキャピタル、ヒューレット・パッカードで、財務とマーケティングの両面で専門性を高めてきた。 社外取締役のベンジャミン・ツァイ氏は、暗号資産の財務分野でも「知る人ぞ知る」人物だ。伝統金融とデジタル資産の双方のプロで、過去にはメリルリンチ日本証券でマネージング・ディレクターを務め、アライアンス・バーンスタインでは資産運用事業に従事した。 現時点で、メタプラネットの収益の源泉は、東京・五反田にある「ホテルロイヤルオーク五反田」の運営だ。昨年1月~9月期の売上高は2億5000万円で、ホテル事業がこの全額を稼ぎ出す。 ゲロヴィッチ氏は今後、3つの事業を柱にメタプラネットの企業価値拡大を図っていくと話す。 1.ビットコイン・トレジャリー・オペレーション:戦略的な資金調達を通じてビットコインの保有量を拡大し、BTCイールドを最大化することで、長期的な株主価値を創出する 2.ビットコイン教育とメディア:日本での独占ライセンスを持つ『ビットコイン・マガジン・ジャパン(Bitcoin Mazazine Japan)』を活用し、ビットコインの普及と教育を推進し、全国的な認知度を高める。 3.ホテルロイヤルオーク五反田の再構築:「ホテルロイヤルオーク五反田」を「The Bitcoin Hotel(ビットコインホテル)」として再開発し、ビットコイン教育、コミュニティ構築、交流の拠点として活用する。 ホテルの再開発計画を巡っては、「従来の不動産事業は資本集約型で、場所に依存し、継続的な投資なしにはスケーラビリティを欠く。一方、ビットコインは流動性が高く、国境を越え、スケーラブルだ。この特性は、外的要因に脆弱なビジネスモデルから、デジタルキャピタルの未来と一致するモデルへの転換を目指す我々にとって自然な選択肢となる」とゲロヴィッチ氏は述べる。