藤枝明誠は優勝を目指して挑んだ去年のウインターカップで、一昨年と同様に準決勝で涙をのんだ。チームの主力を担っていたスコアラーの赤間賢人が引退し、新チームのキャプテンを任されたのは野田凌吾だ。今年は下級生が主力となり「チームをまとめていくのが一番大変でした」とキャプテンとしての重責を担いながら、チームのために奔走してきた。膝に大ケガを負った影響で去年1年間プレーできなかった分まで「最後に自分の力をしっかり出し切りたい」と目標の日本一に挑む。

「3年生を『一枚岩』にしていかないといけない」

藤枝明誠の野田凌吾

──まずは自己紹介をお願いします。 藤枝明誠、チームキャプテンの野田凌吾です。出身は愛知県です。得意なプレーはピック＆ロールやドライブからのアシスト、そこからフィニッシュに繋げるプレーです。性格は人に優しいというか、キャプテンにはあまり向いてないタイプだと思います。 ──昨年のウインターカップが終わり、キャプテンに指名された時の心境を教えてください。 今年は1、2年生が主力のチームなので、3年生の出場機会が短くなると思っていました。だからこそ精神的な面でしっかり支えられるように、まずは3年生を『一枚岩』にしていかないといけないという決意でスタートしました。 ──いざ新チームでの活動がスタートして、チームをまとめるのは大変だったと思います。 3年生は3年生で個人個人で思うことがあって、1年生は1年生で「チームのことより自分のこと」。全員がチームよりもまずは自分のプレー、自分の出場機会にフォーカスしているところがありました。そこから、全員がチームの目標である日本一に対して意識を向けられるように、自分がどういうアプローチをしてまとめていくのかが一番大変でした。 ──チームが成長していく中で、一番悩んだ出来事はどんなことですか。 「メンバーが個人のことしか考えてない期間」が長かったことが一番の悩みでした。全員が同じ意識で練習に取り組めれば、自分の言い方がきつくなることも少なくなりますが、オフコートのことでトラブルがあったりだとか、チームが前に進む上で必要のない期間がとても長かったのは苦しかったです。 ──キャプテンとして苦しい時を経て、チームは成長していますか。 U18日清食品トップリーグではボヌ・ロードプリンス・チノンソがいない状況でも、ボールマンにプレッシャーをしっかりかけてからのブレイクや3ポイントシュートで、イージーに得点を決める場面が結構あって、自分たちが一番やりたい「相手のやりたいことをやらせない」、「ディフェンスからブレイクでの得点」ができていたので、手応えを感ました。