強がらないで、休んでもいい──19年連続で自殺率ワーストだった秋田、当事者がつなぐ“命の糸” #今つらいあなたへ
つらいときは「強がらないで」
つらい気持ちを抱えているあなたへ――。「くもの糸LINE相談」のパンフレットにはそう書かれている。ただ、この相談を受けられるのは秋田県内に住む人だけ。LINE相談に関わる鎌田さんやロザリンさんに、「#今つらいあなたへ」メッセージをもらった。 鎌田さんは、一人で悩みを抱えないで信頼する誰かに相談することを勧める。それでも誰かに相談をするのが苦手な人は、どんな形でもいいからその気持ちをはき出すことを提案する。 「私自身も学生時代、死ぬことを考えたことがあるのですが、人に相談するのが苦手でした。私の場合は当時流行っていたSNSに苦しみをつづりました。今だったら、スマホのメモ機能を使って日記風に書いてもいいし、ノートに自分の気持ちを書き出してもいいかもしれません」 ロザリンさんも学生時代にひきこもりぎみになった経験がある。だからこそ「強がらないで、休んで」と呼びかける。 「休むと負けで、次がないと気が重くなるかもしれないけど、疲れて余裕がないときほど、穴から世界を見ている感じで、何も見えていないことが多いです。つらいときは風邪をひいたと思って、しっかり休んで、心を温めてください。すると自然と次がある。体力の回復とともに、これまで見落としていた風景や先のことも見えてくるから」 秋田では、悩める人を支える民間団体や人が、あらゆる地域にあたかも毛細血管のように存在している。そうした関係性の中で、少しずつだが着実に生きる力をつなぐ人が増えている。