故人の”いま”を描く絆画 「この絵に出会えてよかった」 家族のつながりを感じてほしいと願う制作者の思い…その裏には悲しい別れ
あの人は絵の中で生きている
遺族の気持ちに寄り添い“絆画”を完成させる大村さんだが、作品を見せるときは「喜んでもらえるか、傷つけないかとか考えてしまう」そうだ。 この日は完成した“絆画”を届けるため介護施設へ。 制作を依頼した鵜飼孝さんは母親と同じこの施設に入所していた父を2024年に亡くした。 夫婦で一緒にいる時は、母の手を父が握るなど夫婦仲が良かったといい、鵜飼さんは「母親が父親のことを少しでも忘れずに思い出す機会になれば」との思いから絆画に行きついた。 鵜飼さんが「お母さん、絵どう?いい絵でしょ?お父さんと一緒に写っている絵だよ」と話しかけると、母のカヅヨさんは言葉こそ発しなかったものの好きなプロ野球チームのユニフォームを着た夫の絵をじっくりと見つめた。 「絵の中でやっぱり生きている、生きていてくれているんだなと。この絵に出会えてよかった。母親も喜んでくれていると思う」と鵜飼さんは心情を語った。
家族の繋がりを感じて…
大村さんは「依頼した人もそうだが、依頼した人だけではなく、その家族にとっても大切な人を改めて感じるものであって欲しいと思うし『この人がいたから、自分たちはつながっているんだ』と家族のつながりのようなものを感じてもらえたらいい」と改めて“絆画”への思いを口にした。 もしも、あの人が今も生きていたら…大村さんは遺族が叶えてあげたかった願いや未来を丁寧に聞き取り、その思いに寄り添いながら、これからも“絆画”に向き合い続けていく覚悟だ。 (テレビ静岡)
テレビ静岡
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