公務員は安定ではなかった...元自衛官が職場に満足してても「転職活動をやめない」理由
「劇団『社会人』」でメンタルダウンを回避
多様な価値観を持つ人が大勢働く職場では、人間関係のストレスをゼロにすることはほぼ不可能です。それでも、過去の私のようにメンタルダウンするほど状況が悪化するまで放っておいてはいけません。そうならないための、職場での振る舞い方のコツをお伝えします。 年齢関係なく、組織で仕事をしている人にお勧めしたい考え方が、「劇団『社会人』」です。大人であっても嫌いな人は嫌いですし、無理なものは無理です。しかし、それをそのまま態度や行動に出してしまうと仕事になりませんし、職場での人間関係がますますギクシャクしてしまいます。そこで会社では、自分の正直な気持ちはいったん脇に置いておき、「自分は劇の中で『社会人』という役を演じているんだ」と思い込むのです。 ただし、「劇団『社会人』」には注意点があります。それは、あまりにも実際の自分とかけ離れた演技をしないこと。かけ離れすぎていると、演技がつらくなってしまいます。 自分の中で譲れないことは死守するけれども、それ以外のことは周りに合わせる。それくらいのちょうど良い距離感を見つけて社会人を演じるのがコツです。 職場では、相手の正義を潰さないことも心がけてください。あなたに譲れないことがあるように、相手にも譲れないことがあるはずです。価値観は人によってそれぞれ違いますが、正義もまた同じです。立場が異なれば、正義も異なります。 会議で、相手の意見に賛同できないなと思っても論破はしない。異なる意見を受け止めて、妥協点を探り、仲間にしていくようなイメージで話をしてみましょう。そうすれば、相手の恨みを買って人間関係が悪化するような事態はほとんど起こらないはずです。
パワハラされないためには「一線越えたら撃つ」が大事
もう一つ、職場での振る舞い方のコツとして大事なことをお伝えします。それは、嫌なことは嫌とはっきり言うことです。パワハラをする人は自分より弱い相手を探しています。格好の標的になるのは、不器用かつ真面目で、何を言っても反抗しない優等生タイプの人。私がまさにこのタイプでした。 上司からの理不尽なパワハラを受けていた当時、私は「自分の努力が足りないんだ」「いつかきっと認めてもらえる」と考え、反撃するどころか自分をさらに追い詰めていました。 そんな頑張りもむなしく、いくら結果を出してもパワハラはひどくなるばかり。それもそのはず、パワハラをする側にとって、対象が仕事をできるかできないかは、あまり関係ないのです。単に反撃してこない相手を選んでいるだけなので、当時の私のような考え方では、よりドツボにハマってしまいます。 自分の要求を押しつけてきたり、プライベートにまで干渉してきたりするようなヤバい人には、早い段階で「こいつを標的にするとまずい」と理解させることが肝心です。おかしいと思うことがあれば、みんなの見ている前で思いきり反論しましょう。そうすれば、ヤバい人は意外と引き下がり、2回目の攻撃に出てくることはほとんどありません。「一線越えてきたら撃ちますよ」の気概でいきましょう。