なぜ今「ラジカセ」? ハローキティデザインの昭和レトロなアイテム、Z世代からも需要増
サンリオの人気キャラクター・ハローキティの50周年グッズとして、キティデザインの「ステレオラジオカセット(通称:ラジカセ)」が5月下旬からサンリオショップなどで順次発売されている。SNSでは「懐かしい」「かわいい」の声が相次いでいるが、なぜ今ラジカセを販売するに至ったのか? 同商品を製造・販売する「ドウシシャ」(大阪市中央区)に話を訊いた。 【写真】天面の操作ボタンにはリボンがデザインされ、カセットドア部にはさまざまなキャラクター ■ 発売のきっかけは昭和レトロブーム ハローキティの50周年を記念して作られた同商品。キティのイメージカラーである赤と白を基調に、キティやお祝いムードなサンリオキャラクターたちがあしらわれたデザインはとてもキュートだ。とはいえ、ストリーミング再生全盛期の現代になぜ「ラジカセ」なのだろうか。 同社の広報担当者に聞くと、「昭和レトロブームといわれる昨今。昭和を代表するキャラクターであるキティなら、1980年代にブームとなったラジカセとの親和性が高いと考えました」と、ラジカセをチョイスした理由をコメント。本体デザインも「1980年代のラジカセ」をモチーフにしているといい、たしかにこれなら昭和風なインテリアにも自然と溶け込みそうだ。 同社では過去にもハローキティデザインのラジカセを販売しており、ラジカセコラボは実に20数年ぶりになるという。 ■「ラジカセの需要は伸長していると感じる」 ストリーミング再生やダウンロードなど、パソコンやスマホで音楽を聴く方法が主流となりつつある昨今。ラジカセの需要について尋ねると、「Z世代の間では、アナログレコードやカセットテープといったメディアにも注目が集まっています。また、アーティスト側が積極的にレコードやミュージックカセットでアルバムを発表するケースもあるので、需要は伸長していると感じます」と担当者は語る。 確かに関西でも、3月8日に心斎橋に「HMV」のレコード専門店、30日に梅田に「タワーレコード」のレコード専門店がオープンするなど2024年に入ってから続々登場しており、そのなかでカセットテープのコーナーも目立っている。 ■ カセットテープの再生や録音はもちろん、スマホとの接続も 懐かしい佇まいの同商品だが、Bluetooth接続機能がありスマホとの接続もできる上、USBメモリーやSDカードを挿し込み、音源を再生することも可能だ。もちろん、ラジカセ本来の機能であるカセットテープの再生や録音、ラジオ受信もできるので、昭和を懐かしみたい層からZ世代まで幅広く楽しめそうだ。 ハローキティデザインの「ORION Bluetooth機能搭載 ステレオラジオカセット SCR-B3(KT)」は、5月下旬より発売中。価格は19800円で数量限定。公式オンラインストア「ドウシシャマルシェ」や一部のサンリオショップ、百貨店のサンリオコーナー、サンリオオンラインショップなどで購入できる。 取材・文/つちだ四郎