松本幸四郎と尾上松也が悪の華を咲かせる! 伝説の舞台『朧の森に棲む鬼』が歌舞伎NEXTとして上演決定
■お互いに大好き! ってことらしい……
小僧 ところでお二人はよく共演されていますが、お互いの好きなところをぜひ教えてください。 松也 ヤダもうそういうの(笑)。 幸四郎 たぶん松也くんは僕のことをだいぶ好きだと思います。よくバラエティ番組とかに出ると、「ある方からコメントをいただいています」ってVTRが流れたりするじゃないですか。ダントツで松也くんなんですよ。またか、っていうくらい(笑)。 松也 ちょっと! これは言わしてください! そうではなくて、幸四郎さんが僕のことを好きなんですよ(笑)。だって幸四郎さんがテレビに出るたびに、番組のスタッフさんがコメントを撮りに来るんです。そのたびに僕は「いや、僕はたくさんコメントで出させていただいているので、他の方にされたほうがいいのではないでしょうか」と断るのですが、「歌舞伎界では松也さんの名前しか挙がらなかった」って(笑)。それでコメントを撮るのですが、そうすると幸四郎さんから、「またおまえかよ」みたいなLINEが来るんですよ(笑)。いや、これホントですから!! 小僧 幸四郎さんは松也さんのこと、大好きなんですね、きっと。 幸四郎 (ちょっと恥ずかしそうにうつむき加減で)……嫌いじゃない。 松也 あははは、今の可愛いです。本当に幸四郎さんって、いつまでも少年みたいなところがステキですよね(笑)。物事に対しての取り組み方とか、何も変わらない。もちろんいい意味でですよ。少年のように無邪気に楽しみながら、悩みながら突き進んでいく姿が、後輩から見ても愛おしいというか。 純粋に歌舞伎というものを愛していらっしゃるというのが全身から伝わってきますので、一緒に舞台に立たせていただいていて楽しいんです。周りの後輩はみんなそう思っていると思います。 それから、舞台でもトークでもそうですけれど、「僕ができることはないか」と思わせる魅力のある方だと思うんですね。それは舞台の真ん中に立つ方においては、けっこう重要なことで、ご本人はたぶんまったく意識なく、そういうことができるのはすごいですし、それによってみんなが引き込まれていく感じですね。 小僧 幸四郎さん、愛されてますね。逆に幸四郎さんから見て、松也さんの好きなところというと? 幸四郎 ええと……。 松也 お兄さんは真面目にお話されるのが恥ずかしいんです。これくらいにしておいてあげてください。 部長 はい、お二人が仲よしというのは、よくかわりました(笑)。それでは最後に、『朧の森に棲む鬼』への意気込みをお願いします! 松也 僕は、もう幸四郎さんを必死に追いかけるだけです。これまで抱いてきた憧れがありますので、それを追いかけたいですし、追い越したい。最終的には、それぞれのライが、それぞれの魅力を発揮できることが理想だと思いますので、それを目指して頑張りたいと思います。 幸四郎 僕にとっては再演になりますけれど、それは忘れて、もう本当にチャレンジャーだと思ってやりたいし、ダブルキャストということは、松也くんとは勝負だと思っていますので、自分を追い込んで、すごいものを作りたいですね。まだまだこの年齢でもできるんだというところをお見せしたいです! 部長 お二人がどんなライを作り上げるのか、本当に楽しみです。11月~12月の新橋演舞場、2月の博多座と、寒い季節を熱く盛り上げてくれること、間違いなし!! 小僧 本当ですね。伝説の舞台がどう進化するのか、劇場で見届けます!!