松本幸四郎と尾上松也が悪の華を咲かせる! 伝説の舞台『朧の森に棲む鬼』が歌舞伎NEXTとして上演決定
劇団☆新感線の『朧の森に棲む鬼』では、幸四郎さん演じるライの外道っぷりにシビレまくった小僧。まとうオーラが、どんどんすごくなって、最後は人ではないものになっていくんです!! あの調子で、今回はトッティーさん(中村時蔵さん)をいたぶるのか……(以下、妄想)。
小僧 仲のいい(中村)七之助さんから、「おまえ、よくできるな」って言われたそうですね(笑)。 松也 はい。七之助くんが「おまえ、幸四郎のお兄さんの舞台を観たか。あれを観て、よく受けられるね」と。「嫌なことを言うな~」って思っていたら、「そうじゃない。おまえは、追い込まれるとやる男だから、今、俺はおまえを追い込んでいるんだ」と独特のエールを送ってくれました(笑)。 とにかくみんな、とても楽しみにしてくれていますし、「幸四郎さんのライがまた観られる」って、とても興奮しています。 幸四郎 みんながそう言ってくれるのは嬉しいんですけれど、当時はまったく余裕はなかったですね。あの頃は、歌舞伎俳優が他の劇団に客演として出たり、今のようにエンターテインメント性の高い作品に出ることは珍しくて。僕自身もよその劇団の人たちとやるのは初めてだったので試行錯誤の連続で、「新感線らしさって何だろう?」というところから始まったんです。 歌舞伎俳優と名乗っている以上、「いのうえ歌舞伎」(劇団☆新感線の時代もの)に出るなら、かっこよく見えないといけないと思っていたので、すごいプレッシャーもありました。 それが有難いことに何作か一緒にやらせていただくことになって、最終的にお正月の新橋演舞場で『朧の森に棲む鬼』を上演するというところに行きついたっていうのは、自分でも達成感がありましたね。 部長 幸四郎さんが出演している作品は、当時の染五郎からとって「新感“染 ”」と呼ばれるようになりましたもんね。 幸四郎 出るならば、周囲から「またやるの?」と言われるくらい、出続けないと意味がないと思って始めたので。ただ、それはもう17年も前で、若い人たちは僕が劇団☆新感線に出ていたことも知らない人が多いと思います。だから今回は新たな気持ちで、松也くんとダブルキャストでどれだけ存在感を出せるかということを目標にしたいと思っています。