第一三共ヘルスケア、メンバーが一丸で取り組んだサイトリニューアルで、アクセシビリティを改善。プロジェクトの進め方のポイントを聞いた
リニューアルの成果と今後の展望
改正法施行までの期間の短さや、多数の部署にヒアリングしたことなどから、作業的にはかなり大変で、「制作会社からは、通常の3倍大変だったと言われた」(加藤氏)とのことだが、具体的な反省点として加藤氏が挙げたのが、「設計とデザインは同時進行の方がいい」ということだ。 設計段階で各部署に意見を聞いて、その後ページのデザインを見せて意見を聞くという順序で進めたのだが、通常の業務でサイト制作に携わっていない部署に、ワイヤーフレームや樹形図のサイトマップを見せてもピンとこない。しかし、ページデザインになったものを見せると、「ここはこうしてほしい」という反応がすぐに返ってくる。 ┌────────── 設計に時間をかけて最初にきちんとしたものを作れば、後の実装はどんどん進められるというイメージがあるが、一概にそうとも言えないことが、やってみてわかりました。いわゆる、ウォーターフォール型で設計に時間をかけるのではなく、アジャイルに近い形でデザインと設計を進める方が、結果的に手戻りが少なく、工数削減ができたかもしれません(加藤氏) └────────── リニューアルの成果としては、初動ではあるが、ユーザーアンケートではリニューアル前後で「サイトの使いやすさ・情報の見やすさ」は16ポイント、「企業の興味・関心の深まり」は12ポイント向上した。健常者を含め、さまざまなコンディションの方にとってサイト自体の利便性が上がったのかどうかについては、今年度かけて検証をしていく。 今後の方針としては、 ・あらゆる生活者にとって当事者目線で使いやすい ・製品情報を含め、セルフケア情報を発信し、健やかなライフスタイルを後押しする サイトを目指していく。また、ウェブアクセシビリティについては、基準をクリアすればそれでいいということではなく、常にアップデートしていくこと、そして、これまで情報収集に不便さを感じさせてしまっていた方々にも「情報を知ることができて助かった」と感じてもらえることが本質的だと考えている。 ┌────────── 本質的にきちんと適合しているかどうかは、今後もずっと目指していきたいし、それをかなえるようにコーポレートサイトを運用していきたい(加藤氏) └──────────