第一三共ヘルスケア、メンバーが一丸で取り組んだサイトリニューアルで、アクセシビリティを改善。プロジェクトの進め方のポイントを聞いた
となっている。つまり、レベルAAを達成するには合計55個、AAAを達成するには合計86個の基準をクリアしなければならない。
改正法の施行を視野に、2022年にリニューアルガイドラインを決定
第一三共グループでは、「世界中の人々の健康で豊かな生活に貢献する」というパーパスを掲げている。この「世界中の人々」という言葉にはグローバルという観点だけでなく、年代や置かれた環境、さまざまなコンディションの人を含むと捉えている。 そういったあらゆる人々の健康で豊かな生活に貢献することが重要だと考え、どのような人にも見やすい情報提供を心がけてきた。とはいえ、自分たちが良かれと思ったことが、すべて思ったとおりの結果をもたらしたわけではない。 ┌────────── 2021年5月に改正障害者差別解消法が成立しました。その年の終わりに、ウェブアクセシビリティの外部パートナーに簡易チェックを依頼したところ、課題が多く見つかる状態でした。現状を知って、これを機に改善はもちろん、高い基準をクリアするものにしたいと思いました。2022年度中に社内全体のウェブアクセシビリティガイドラインを決め、勉強会も行ったのが伏線で、今回ウェブアクセシビリティをターゲットにしたリニューアルをしました(加藤氏) └────────── 第一三共ヘルスケアには、コーポレートサイトの他に、各ブランドのサイトやオウンドメディアがある。ブランドによっては、ブランドカラーがコントラスト比を満たさないなど、これまでの考え方では遵守が難しい場合もあったが、あらかじめ目線合わせをしてきた勉強会が功を奏し、忙しい担当者それぞれが、限られた予算の中でも受け手の立場に立った改善に取り組んできてくれたと感じている。なかでもコーポレートサイトは、あらゆる人が見るので、基準のレベルはAA。一方、ブランドサイトは項目数を絞って達成目標を設けている。 また、当時のコーポレートサイトには、ウェブアクセシビリティ以外にも、以下のような問題があった。 ・情報が増えすぎて、(特にスマートフォンなどの限られた環境で)、煩雑な見せ方になってきた ・コーポレートサイトを通じて発信したい部門が増え、部門ごとの発信の企業としての優先度が曖昧なまま情報が蓄積されてきた ・製品情報へのアクセスが多いこともあり、製品中心のデザイン・構造になっていたが、企業姿勢や思いが十分に伝えられていなかった さまざまな問題があり、改正法の施行に合わせるため、このタイミングでリニューアルに踏み切った。