【引退試合】T-岡田が振り返る栄光と苦悩の19年 「どうやったら結果を残せるか、バッティングを考えることに疲れた」
その後、岡田との付き合いは緩やかなものになったが、それでも高校時代から数えると22年。どうしても最後にゆっくりと話を聞きたいと思い、引退試合が迫るなか、大阪・舞洲(まいしま)にあるファーム施設の一室で、現役最後の取材を行なった。 【3年ぶりの開幕一軍スタートも】 まずは、あらためて今の心境から聞いた。 「スッキリしています。やれることはやりましたから」 そう言ったあと、「ちょっと疲れたのもありましたけど......」と、曖昧な笑顔を浮かべて続けた。 「どうやったら結果を残せるか、ここ何年間ずっと考えてきて、それでも結果は出せなかった。『ああでもない、こうでもない』とやったけどダメで......バッティングを考えることに疲れたというのもありました。それも含め、まあいろいろと疲れました」 プロ19年目の決断。そこに至るまでにはさまざまな思い、葛藤があったのだろう。 「ファンの方が球場に来て応援をしてくれて、僕に期待をしてくれているのに結果を残せない。思いに応えられないことが、僕のなかでかなりきつかった。自分自身に腹が立ち、また考えて練習するけど、結果に結びつかない」 岡田には、今年の開幕前にも話を聞いていた。取材をしたのは、3月8日の巨人とのオープン戦の試合後。その試合で岡田は代打で登場し、左腕のアルベルト・バルドナードからきれいにレフト前にヒットを放っていた。明るい空気のなかで、今季にかける思いを語っていた。 「今年ダメならもうあとがないと思っていますし、結果を出すことがチームのためにも、自分のためにもなる。しっかり成績を残して、シーズンを楽しんで、秋にはみんなと思いきり喜びたいですね」 シーズンでは3年ぶりの開幕一軍スタートを果たし、ソフトバンクとの開幕戦では「7番・ファースト」で出場するも4打数ノーヒット。2戦目は出番がなく、3戦目は一打同点の場面で代打出場し四球。そこから5試合出番がなく、6試合ぶりに代打で出場し凡退すると、まもなくして登録抹消。4月半ばにファーム降格となった。