巨人・浅野の単独自主トレ計画 合同トレ主流の現代であえてやるメリットは 内田順三氏は姿勢に感心
プロ野球はオフシーズン。近年は他球団の選手との合同自主トレが多く行われる傾向にある中で、巨人・浅野翔吾外野手は単独トレを計画した。打撃の名伯楽・内田順三氏(デイリースポーツ・ウェブ評論家)はこの姿勢を評価。情報があふれる現代において、あえて一人でやるメリットについて語った。 ◇ ◇ 昔は長嶋茂雄さんにしても金田正一さんにしても、自主トレは単独でやるのが普通だった。練習パートナーがいるにしても、自分ひとりでやるのは難しい面もある。ただ、精神修行になるし、自分だけで教わったことを思い描きながら徹底的にやれるメリットもある。巨人・浅野が自ら単独でやろうと思ったのは素晴らしいこと。相談を受けた阿部監督も自分で考えて行動したことを評価し、「修行してこい」と後押ししたのだと思う。 12月、1月に監督、コーチが選手を指導するのが禁止となり、先輩が後輩を自主トレに連れて行くことが増えていったことで、複数人でやることが当たり前の時代となった。徐々に垣根を越え、今は他球団の選手と一緒にやるのも多くみられる。 かつては春のキャンプから体作りを本格的に行っていたが、今では早くから実戦を組む球団もあり、2月1日の時点に合わせて体を仕上げる必要もある。ポストシーズンができたことも影響し、今の選手はオフが短いし、オフの間でもよく練習するよね。そういった点で心配は少ない。 他球団の選手とやることで、参考になることもあるだろう。ただ、継続することの大事さは忘れないでほしいね。かつて王さんが繰り返したダウンスイングの練習も、スイングの軌道、角度を修正するためにコーチの荒川さんが徹底させてやらせていたこと。西武にいたカブレラが繰り返しワンバウンドを打っているのを見たことがあったが、これも打球がホームランの角度になるようスイングを修正するため、コーチの土井さんが取り組ませていた練習だった。 現代の選手は勤勉さがある一方で、情報網がたくさんあることもあって、うまくいかないとコロコロ変えてしまう選手も少なくない。今は中学生、高校生でもYouTubeなどの動画を参考にマネをしている選手も多いが、プロでも同じ。変化をするということは大事だが、成功している選手はこれだと思ったことは一貫してやり続ける。最低でも1カ月は継続して、徹底するということが大事だ。 そういった観点から見ると、浅野が行う単独トレはより自分と向き合い、自分のペースでやれる環境に身を置ける。バッティングに特効薬はない。このオフ期間もコツコツと継続しながら技術を高めていってほしいね。