10月以降に「年金振込額」が変わる人も!天引き額の変更など理由4選
理由①:在職定時改定による老齢厚生年金額の変更
在職定時改定では、前年9月から当年8月までに支払った厚生年金保険料を基に年金額を再計算し、10月分より年金額を改定します。 10月分と11月分の年金は12月振込です。 65歳以降も仕事を続けて厚生年金に加入している人は、12月から年金振込額がアップします。
理由②:在職老齢年金による支給停止額の変更
在職老齢年金による支給停止額は、毎月の標準報酬月額(※)やボーナス支給時の標準賞与額(※)によって計算します。 標準報酬月額は毎年9月に改定され翌年8月まで適用されるため、9月より支給停止額が変更になる可能性もあります。9月分の年金は10月振込です。 在職老齢年金による支給停止を受けている人は、支給停止額の変更(=年金額の変更)により10月から年金振込額が変わる可能性があります。
理由③:地方税額の変更
地方税の特別徴収は、4月から翌年2月までの6回の偶数月に行われます。 4月と6月、8月の特別徴収を「仮徴収」、10月と12月、翌年2月を「本徴収」と呼びます。 仮徴収する住民税は、当年の住民税額が確定していないため前年の住民税額を基に計算した税額です。当年の税額が確定したあと、本徴収で1年間の住民税を精算します。 そのため、住民税に変更がある人は10月振込より特別徴収額が変更になり、年金振込額も変わります。
理由④:介護保険料の変更
介護保険料が変更された場合、10月の年金振込からの特別徴収額も変更されることになっています。 そのため、介護保険料に変更がある人は、10月より特別徴収額と年金振込額が変わります。
まとめにかえて
年金振込額は、年金額から特別徴収額を差し引いて計算します。 年金振込額が変わる理由は、年金額や特別徴収額が変更されるからです。 10月以降に年金振込額が変わる主な理由は、在職定時改定や在職老齢年金による年金額の変更と、地方税額や介護保険料などの特別徴収額の変更によるものです。 日本年金機構から年金額改定通知書や年金振込通知書が送付されたときは、記載内容を確認して自分の年金額や税金、社会保険料などを大雑把にでも把握しておきましょう。
参考資料
・日本年金機構「働きながら年金を受給する方へ」 ・大阪市「個人市・府民税・森林環境税の公的年金からの特別徴収について」 ・日本年金機構「8月(および9月)に届いた年金振込通知書は、8月分(および9月分)の支払額のみ記載されており、10月以降の支払額は「*」の記載になっています。これはなぜですか。」 ・日本年金機構「「年金額改定通知書」と「年金振込通知書」(年金受給者用:はがきサイズ)」
西岡 秀泰