「みんなにありがとう」謙虚な主将が引っ張る東福岡、前評判は関係なしの快勝発進【全国高校ラグビー】
◆全国高校ラグビー大会・東福岡47―3光泉カトリック(30日、花園ラグビー場) 例年に比べて、という枕ことばがつくとはいえ、今大会の東福岡は〝決して強くない〟と言われている。シード委員会では一部からノーシードを主張する声も出たほどで「Bシードをいただいたのは、去年(の準優勝)とおととし(の優勝)のご褒美と思っている」と藤田監督。しかし、花園では下馬評がうそのような快勝発進だった。 ■感動秘話…今は亡きリョウスケ君も優勝メンバー一員に【写真】 7トライ6ゴールで47得点。前半3分の先制を含む2トライを挙げたナンバー8の古田主将(3年)は「自分が活躍したというよりは『みんなにありがとう』という感じ」。1回戦で9トライの光泉カトリック(滋賀)をノートライに封じたディフェンスは、今大会に向けて強化してきたポイントだけに「評価できる」と藤田監督もうなずいた。 この日もリザーブを含めた25人のうち1、2年生が13人。経験不足は否めず、春の全国選抜大会は初戦敗退。6月の全九州大会決勝と今月8日の招待試合では大分東明に敗れ、古田主将も「この1年、しんどい時期が多々」と口にする。 元日の3回戦は同じBシードの茗渓学園(茨城)と対戦。前回大会の準々決勝では26―10で破ったが、藤田監督は「こちらは挑んでいくだけ」と無欲を強調する。それでも、接点からの速い球出しから、グラウンドを広く使って、全員で最後まで走り続ける〝東福岡らしさ〟を存分に出した初戦を見ると、前評判をガラッと塗り替えるような雰囲気が漂ってきたから、不思議なものだ。