意外に知らないゴルフルール。”プレーヤーは自分のスタート時間より早くスタートしてはならない”
ゴルフ規則とプレーの実態
ゴルフ規則5.3aには、次のように書かれている。 ”プレーヤーのラウンドは、自身の最初のホールをスタートするためにストロークを行ったときに始まる(規則6.1a参照)。 プレーヤーは自分のスタート時間にスタートしなければならない(早くスタートしてはならない): ・このことは、プレーヤーは委員会が設定したスタート時間にスタート地点でプレーをすぐに始めることができる状態でなければならないことを意味する。 ・委員会が設定したスタート時間は正確な時間として扱う(例えば、午前9時の意味は午前9時00分00秒であり、午前9時01分までの時間ではない)。” これを杓子定規に解釈すると、プレーヤーはスタート時間の前に、スタート地点でプレーをすぐに始めることができる状態にして待機し、スタート時間ピッタリにボールをストロークしなければならないことになる。しかし、それが現実的ではないとは、どなたも思うことであろう。 フォーサムの組のスタート時間が9時ならば、4人のプレーヤーが9時00分00秒ピッタリに、4人同時に打たなければならないから、そんなことは危険だしあり得ない。日本ゴルフ協会のFacebookには、ゴルフ規則のオフィシャルガイドをQ&A形式にして説明した投稿があり、その一部を紹介する。 ”プレーヤーは委員会が設定したスタート時間にスタート地点でプレーをすぐに始めることができる状態でいなければなりません。9時00分がスタート時間の場合、9時00分00秒にスタート地点にいなければなりません。プレーをすぐに始めることができる状態とは、少なくともクラブ1本と球を持っていることを意味します。” つまり、スタート時間ピッタリに、クラブとボールを持ってスタート地点にいればいいということだ。あとは、すみやかにティーオフしていけば問題はない。 また、天候や他の組の遅れ、レフェリーの裁定など、やむを得ない理由がある場合は、プレーヤーの組がスタートできるときに、プレーヤーがそこにいてプレーをすぐに始めることができるのであれば、スタート時間ピッタリにスタートしなくてもやはり問題はない。 このゴルフ規則5.3aの違反があった場合は、なんと失格となる。理由もなく遅れてスタートした場合はもちろんだが、「早くスタートしてはならない」とある以上、早くスタートしても実は失格となるのだ。ただし、これには例外の規定が定められている。 ”例外1-プレーヤーが5分以内の遅れでスターティングエリアに到着し、プレーをすぐに始めることができる:プレーヤーは自身の最初のホールに適用する一般の罰を受ける。 例外2-プレーヤーが5分以内で早くスタートする:プレーヤーは自身の最初のホールに適用する一般の罰を受ける。” つまり、スタート時間の5分以上前にスタートしたり、理由もなく5分以上遅くにティイングエリアに到着したりした場合は失格となる。しかし、スタート時間の前後5分未満の間にスタートできれば、失格とまではならず「一般の罰」すなわち2打の罰が加えられ、プレーはできるということだ。たとえ10秒前にスタートしたとしても、2打罰なのだから、結構厳しい罰則ではある。