人口600人の島で捕獲されるイノシシは毎年200頭 甘夏や柿など農産物に深刻な被害
RKB毎日放送
福岡県で農作物の被害額が大きい野生動物をご存知でしょうか。 3位はシカでおよそ6700万円。2位はカラスでおよそ9300万円。そして1位はイノシシで被害額は2億8100万円となっています。 【写真で見る】金網をらくらく乗り越えるイノシシ、箱罠の中からこちらを威嚇するイノシシ イノシシによる農業被害に悩まされている地域を取材しました。 ■福岡市の島で毎年200頭のイノシシ捕獲 ネットの中を激しく走り回るのは、わなにかかったイノシシです。 こちらには、撮影者の様子をじっとうかがうイノシシが映っています。 これらの映像が撮影されたのは、福岡市西区の能古島(のこのしま)です。 人口600人余りのこの島では、毎年200頭ほどのイノシシが捕獲されています。 ■甘夏の木が倒される 被害農業被害も相次いでいます。 RKB 西尾健佑記者「山間部にある農園です。こちらの地面は掘り起こされているほか、隣にある甘夏の木は倒されてしまっています」 能古島の特産品である甘夏。イノシシによって木が倒されたり土を掘り返されたりする被害が繰り返されていて農家は頭を抱えています。 明石農園 明石栄美子さん「これは1週間も経ってないかな。みかんの木ってだいたい浅いんです根が。だからこういう風にやられてしまうと枯れていく」 イノシシによる被害は年間で1トンにものぼるといいます。 夜、明石さんの農園を撮影した映像です。金属製の柵を乗り越えて、奥にある農園にイノシシが入っていきます。 ■壊された場所の修理「諦めた」 明石農園 明石栄美子さん「入るところをふさぐっていう作業が日々毎日。でも諦めました。やってもやっても壊されるし。能古島は甘夏が共同出荷なんで甘夏だけは守りたいんですけど」 西福岡猟友会 多々羅誠会長「これが足跡」 地元の猟師もイノシシの出没に危機感を募らせています。 島内ではこれまで人的被害は出ていませんが、住宅地の近くでもイノシシが出ることから箱わなを仕掛けるなどの対策を取っています。 西福岡猟友会 多々羅誠会長「学校周辺から住宅地に近いとこを僕はメインでわなをかけて。最近、家庭のごみをあさったっていうのがパラパラ出てきた、ということで住宅地に頻繁に出てきようっていうのがあるから。住民の被害がないように駆除をしようというのが目的」