人口600人の島で捕獲されるイノシシは毎年200頭 甘夏や柿など農産物に深刻な被害
■「イノシシマップ」で注意呼びかけ 地元の公民館では、イノシシが目撃された場所に印をつけた「イノシシマップ」を作成して、島民に注意を呼びかけています。 能古公民館 田中郁子館長「11月は多いのでそれこそ気をつけておかなければいかない、夜とかはあまり遅くは出ないようにするとか、皆さん気をつけていると思います」 ■朝倉では柿の被害が深刻 名産の柿が収穫期を迎えている福岡県朝倉市でも、ここ数年で増えた野生のイノシシやシカに農家は頭を抱えています。 柿農家 仲山一郎さん「ここ、こんな風にして枝が折られてる。あっちもですよ。ここもここも」Q.ここに届くんですかね?「そうでしょうね、こうやって飛びついて。こんだけ太いけん、けっこうな」 朝倉市の山間部で柿を栽培している仲山一郎さんです。 収穫時期を迎え今週、柿山に入ると、枝が10本以上も折れていたといいます。 被害を聞いてこの日、地元の猟師が柿山を見に来ました。 猟師「体をこすってからまたがってきよる。あそこも来よるもん」 木の根元や葉に付いた泥などからイノシシの通り道を見定めます。 ■70年で初めて「わな」設置 この日、3つのわなを仕掛けましたが、仲山さんの柿山ではこれまでわなを設置することはなかったといいます。 仲山一郎さん「うちの父が大学生の時に植えたって言うけん、もう70年前から」Q70年、イノシシ被害はずっとあるんですか?「いやいやいや、ここ2~3年前からですよ」 ■「九州北部豪雨」後にイノシシ増加 猟師「水害が終わってからよ。水害が去って2年ぐらい経ってからやね。水害で山に人が行かんけん、それで増えて繁殖して。今まで柿も栗も人間がとりよったけど、誰もとらんけん、餌は豊富にあるし繁殖はボンボンするしそれで増えたんですね」 2017年7月の「九州北部豪雨」では、朝倉市の広い範囲で土砂崩れが発生。 山間部の道路は寸断され、立ち入ることのできない場所が今も残っています。 ■イノシシ駆除数5年で4割増加 朝倉市によりますと、2017年度には約700頭だったイノシシの駆除数が、2022年度には1000頭を超えていて農作物の被害額も増加傾向となっています。