【MEGUMIさん×医師・道下将太郎先生〈対談〉】本当に必要なのは“アンチ”ではなく「ウェルエイジング」に歳を重ねること |STORY
女優・タレントとして、多くの女性から支持を集める42歳のMEGUMIさん。映画やテレビでの活躍はもちろん、美容と健康を大切にするそのライフスタイルは、STORY読者にも多い「ゆらぎ世代」の代表的存在として注目されています。今回は、前々から興味を持っていたあらゆる最新のエビデンスをもとに予防医療を提唱する医師・道下将太郎先生との対談が実現。日々の食生活で感じる悩みや、年齢と共に変わる体への向き合い方について、道下先生に率直に質問しながら、MEGUMIさんが実践している心と体の整え方に迫ります。最終回のテーマは「ウェルエイジング」な、よりよい年の重ね方についてです。 【写真あり】MEGUMIさんとイケメン医師との予防医学対談の全貌
人生100年時代の「ウェルエイジング」な生き方、考え方とは
道下先生(以下敬称略) 年齢を重ねることにどう向き合うかって、とても大事です。日本では「アンチエイジング」という言葉がよく使われますが、特にヨーロッパでは「ウェルエイジング」と言って、年と一緒に伴走するというか、抗わないほうがいいよという考えがあります。アンチエイジングな考え方だと、みなさんどうしても過去と比較し続けてしまって、精神的にしんどくなってしまう。だったら、よりベターにベターになっていこう、ウェルになっていこうよという考え方、年齢と共に自然に成長していくという考え方が、スペインなどのヨーロッパでは主流です。 MEGUMIさん(以下敬称略) 私、スペインが大好きでよく行くんですけど、すごく共感できます。まるでワインのように熟成していく感じですよね。 道下 素敵な考え方ですよね。例えば外見に関して、ナチュラルな年相応の美しさを保てれば良いのに、無理に若返ろうとして逆に不自然になってしまうことってありますよね。なので、ウェルエイジングという言葉が広まることが大事だなって思ったりします。 MEGUMI 日本では、年を重ねることに対して「美しく、若々しい美の熟女」というイメージが一辺倒になっているところがありますよね。でも、本当はシミだって素敵で、味わい深く、まさにワインのように熟成された美しさという概念が、もう一歩必要なのかもしれないですね。 道下 そうですね。僕、先日ヨーロッパでウェルエイジングに関する話をたくさん聞きました。そこで60代のご夫婦とお話したんですが、今も手をつないで歩いているんですよ。どうやってその関係を築けるのかを尋ねたところ、「日々日々、納得して生きることが大切だ」とおっしゃっていました。 MEGUMI 納得、ですか。 道下 今は「人生100年時代」と言われてはいますが、晩年の10~15年はほとんど動けなくなる人が多く、それは誰にとっても嫌ですよね。寿命は延びましたが、「この生き方に意味があるのか?」と思うこともあります。そして自分の親も平均寿命といわれる80歳、90歳まで生きるんじゃないか、僕自身もそれくらいの年齢にポックリ逝くんだろうなと漠然と思っていました。 でも、そんなことはないんです。若くして突然亡くなる人もいるし、100歳近くまで生きる人もいます。僕は医者として、これまで1,000人以上の患者が亡くなる瞬間を見てきましたが、その中で15人くらいだけ「この人は幸せだったよね」と、残されたご家族が納得している場面を目にしました。そのご家族たちに「なぜそう思えたの?」と伺ったら、全員が故人のことを「毎日納得して、楽しそうに生きていたから」と言っていたんです。 MEGUMI なるほど~。そこですね。 道下 結局、僕たちが1年を、過去を振り返って今と比較することよりも、日々の瞬間瞬間でどう過ごすかが大事だと思います。例えば、食事は1日3回ありますが、その度に「自分の体に合っているか?」を考えることが大事です。僕は食事の前に手を合わせ、手の温かさを感じるまで合掌することを習慣にしています。そうすることで、目の前の時間を一旦止められるんです。 MEGUMI 先生、素晴らしい。 道下 日々、目の前にある瞬間を、大事にしないとダメだなと思います。 MEGUMI それと、やっぱり自分の思ったことをちゃんと伝えるって大事だと思うんです。自分の想いや感謝、謝罪の気持ちをしっかり伝えることって、本当に大切だなって感じます。感情をため込んでしまうと、心だけじゃなくて、体にも影響が出てくるんですよね。「ありがとう」とか「ごめんね」、あと「好きだよ」って言葉を伝えるって、本当に大切だと思います。それも納得して日々生きるということに繋がると思っています。 道下 そうですね。心の中だけで納得しようとするのは難しいですが、言葉にすると自分の考えを可視化できるので、議論したり感情を整理したりすることができるんです。だから、MEGUMIさんがおっしゃるように、気持ちを言葉に出すことはとても大事なことです。