フィギュアスケート「宙返り=バックフリップ」が解禁に! 前代未聞ルール変更のウラ事情を国際スケート連盟技術委員が解説…導入は五輪後、影響は?
6分間練習で跳んでよいのか?
その上で、他の選手に対する危険性についても、こう考慮する。 「6分間練習で他の選手がいる状況で跳んで良いのかどうか、まだ決まっていません。例えば、最後の1分間になったら跳んで良いという運用ルールなどが考えられます。ここはISUのイベントコーディネーターが整備していくことになります。また、今回はジュニアとシニアで解禁になりましたが、身体の未発達なジュニア選手がやることはどうなのか、といったことも検討し続けなければならないと思います」(岡部)
「ジャンプとスピンの大改正」について
一方で、選手達が最も気にかけていたのは「ジャンプとスピンの大改正」だ。通例では、ジャンプ数の変更などの大きなルール改正は、五輪後に行われることが多い。2024年は五輪の中間年だが、大きな改正が提案された。 「現在のISUが掲げているのは『より魅力的で分かりやすいスポーツ』という考え方です。今回は、フリースケーティングをより個性的で自由な演技にすることを目的に、コーチや元選手らの意見も取り入れ、選手負担とのバランスを考えつつ、での改正案でした」 この改正案のおおまかな内容は下記のようなものだった。 【ジャンプ類】 (1)フリーでのジャンプ要素数を7つから6つに。 (2)ジャンプコンビネーション/シークエンスを3つから2つに。 (3)オイラー(左足で着氷するつなぎのジャンプ)はジャンプとしてカウントしない。 【スピン類】 (1)スピンの1つを、レベルのないコレオスピンに (2)ペアで、ペアスピンをコレオペアスピンに 【リフト】 ペアのリフトの1つを、レベルのないコレオリフトに まずジャンプ改正案の目的について、岡部さんはこう説明する。 「6つに減らす目的は、ジャンプばかりに集中する演技になりがちである現状から、少しでも演技をする時間を増やそうという考えです。またジャンプが減ることに伴い、ジャンプコンビネーション/シークエンスは3つから2つに。一方、オイラーを表外(ジャンプとしてカウントしない)にすることで、見た目としては、『1つ目のジャンプ+オイラー+3つ目のジャンプ+4つ目のジャンプ』というような連続ジャンプを可能にしました。従って実際にはたった1つのジャンプのみ減ることになります」
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