京都と川崎の一戦で見られた米本拓司と丸山祐市の競演。光ったいぶし銀ならではのチームへの貢献度
ドロー決着も両チームのJ1残留が確定
[J1第36節]京都 1-1 川崎/11月9日/サンガスタジアム by KYOCERA 【動画】京都×川崎ハイライト 京都と川崎の一戦で、ピッチの上で再会を果たしたのが京都MF米本拓司と、川崎CB丸山祐市だ。 ふたりはFC東京と名古屋で長くともにプレー。互いの特長を知り尽くす戦友であり、ライバルでもある。 33歳の米本は今夏に名古屋から京都へレンタル移籍し、35歳の丸山は昨季限りで名古屋を離れ、川崎に加入した。ともに豊富な経験値を周囲に還元する貴重な存在であり、米本は京都の中盤の強度を上げ、丸山は加入1年目ながら負傷離脱中の脇坂泰斗に代わりこの日も腕章を巻いてチームメイトを𠮟咤激励してみせた。 両チームは、試合後に他会場で磐田が敗れたことで、今季のJ1残留が決定。よりそこを目指してきた米本はトレーニングを含めて姿勢を若手に見せてきたという。 「競争というのがチームの底上げをすると思いますし、練習で一生懸命やるとか、上の選手がそうやって見せることで、下の選手がやらざるを得ない環境を作るというか、そういうのを意識しました。 上に上がっていくのは簡単ではないと思っていたので、どんな状況でも精一杯やったり、自分がこのチームを変えてやるんだという気持ちでやろうとは、練習試合の前とかに伝えていたので、そういう意味ではそれがつながって良かったと思います。そしてもっともっとサッカーに懸けて良いと言いますか、若い選手が出てくるチームが強くなると思います」 川崎戦ではパスをカットされ、それが失点につながってしまった場面を反省するが、米本がチームに与えてきた影響は大きいと言えるだろう。 対して丸山は、4日前のACLエリートの上海海港戦でもキャプテンマークを巻き、最終ラインを統率。コーチングと周囲への激は大きく響き渡るほどで、10月16日の今季限りでの鬼木達監督の退任発表後に勝てずにいたチームに、久々の白星をもたらす役割を果たしていた。 本人は「自分は目立たずに全員で盛り上げていければ」と、控えめに話すが、世代交代を進めるチームで、重要な存在となっている。 「(声は)自分の持ち味 と言えばそうですし、戦う部分を見せていければ」との頼もしい言葉も残している。 今回のゲームでもいぶし銀の働きを見せたふたり。試合後には「お互い怪我なく少しでも長く頑張ろうと」誓い合ったという。こうした経験豊富な選手たちの競演をピッチで見られるのも興味深い。 取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)