〈タグ・ホイヤー〉とポルシェの話。
「カレラ」と聞いて、思い浮かぶのは、〈タグ・ホイヤー〉か? それともポルシェか? このシンボリックなパンダダイヤルが頭をよぎった人は、相当の時計好きだろう。1963年に発表された「カレラ クロノグラフ」は、クロノグラフ史上に名を刻む名作。当時の社長、ジャック・ホイヤー氏が、’50年代の伝説的なレース「カレラ・パナメリカーナ」に刺激を受け、何よりも先に“ホイヤー カレラ”という商標登録を取った後に開発された歴史ある一本だ。イームズやル・コルビュジエを大層好んだ同氏らしく、目盛りで渋滞しがちなクロノグラフの文字盤をスッキリまとめたのが最大の勝利。視認性の高さは一目瞭然で、1分1秒を争うF1ドライバーたちに、ポルシェ同様、愛されたのはいうまでもない。 〈TAG HEUER〉CARRERA CHRONOGRAPH
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〈TAG HEUER〉CARRERA CHRONOGRAPH 39㎜径やパンダダイヤル、グラスボックス風防など初代の血統を継承した新モデル。当時プラスチック製風防のぷっくりした形状をサファイアクリスタルで再現した意欲作だ。自動巻き、ステンレススティール製。¥891,000(タグ・ホイヤー/LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー☎03・5635・7030) photo: Ryohei Ambo, styling: Kazuro Sanbon, grooming: Risa Fukushima, edit: Koji Toyoda(2024年7月 927号初出)
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