【バイク・インプレ】カワサキ「Ninja 250」|爽快なパワーフィールが楽しい俊敏2気筒ニンジャ!
軽快な走りを磨き抜いた完成度の高い仕上がり!
2018年に現在のスタイリングになって登場したニンジャ250は、動力性能の強化と存在感のあるスタイリングを命題として誕生したモデル。市場のリクエストにハイレベルで応え、ストリート性能を底上げし、先代モデルよりスポーティさも増した正常進化モデルとしていまなお人気を博している。 【写真はこちら】「Ninja 250」の全体・各部・走行シーン ボディはニンジャらしいファミリーフェイスを持つ、張りのある曲面で構成されたデザイン。2018年のモデルチェンジで400と共通の車体になり、エンジンは37馬力までパワーアップしたが、2023年型からは最新排ガス規制に対応したことで、車体や装備の変更はないが、パワーが2PS下がっている。 ところが、実際に乗ってみると逆に力強さが増している。パワーバンドは8000~13000回転だが、5000~8000回転をあたりの中回転域では前モデル以上にスロットル操作に対して忠実…というよりもクッキリと反応する。車体全体が軽くなったような印象で、公道では間違いなく乗りやすくなった。このあたりはインジェクションや点火マッピングの熟成によるものだろう。 トップエンド近辺まで引っ張っても、前モデルより2PSダウンしていることはまったく感じない。このニンジャでピークパワーを絞り出す必要があるシチュエーションはほぼないし、スペックの数値にこだわるのなら4気筒のZX-25Rという選択肢もある。 カタログ数値に現れない扱いやすさの向上で、新型は2気筒ニンジャが備えている軽快さをさらに際立たせているのだ。 寝かし込みと切り返しが軽快なハンドリング特性は前モデルのままで、街中から峠道までストレスを感じることは一切ない。適度なしなりを生む正立フォークとダイヤモンドフレームの剛性バランス、ハンドルに余計な力が入らないアップライトなライディングポジションがこのキャラクターを生んでいる。 OEMタイヤ(試乗車はダンロップGT601)とのマッチングもいいが、ZX-25Rが装着しているようなスポーツツーリング系ラジアルタイヤに換装すれば、より接地感の高いハンドリングを楽しめるだろう。 市街地やツーリングでスムーズかつ爽快にに走り、スポーツライディングまで楽しめるパッケージングが2気筒ニンジャの魅力。「一台でいろいろな楽しさを味わいたい」というライダーを納得させられる仕上がりだ。
太田安治