「100年に1人の天才」でも「最新のAI」でも解けない…使うのは+×÷だけなのに世界中の数学者が敗北した難問
■数学界のスーパースターが挑んだ結果は… 証明を書いた人物は、9歳でオーストラリアの大学で学び、17歳でアメリカのプリンストン大学の大学院に入学、31歳で数学界の最高栄誉とされるフィールズ賞を受賞し、天才の名をほしいままにしてきた数学界のスーパースター。その名も、テレンス・タオ! タオは次の結論にたどり着きました。 ---------- ほとんどすべての自然数は、コラッツ予想の操作を繰り返すことで、 ある意味好きなだけ小さくなる ---------- まさに、コラッツ予想の証明に限りなく肉薄したのです! しかしタオ自身は、自分の証明についてこのように述べています。 「私たちはコラッツ予想に好きなだけ肉薄できるようになりました。しかし、実際のところは、完全な証明にはまったく手は届いていません。」 タオの証明も、すべての数から一部の数を取り除いているため、完全な証明には程遠いのです。 もしかしたら、コラッツ予想の証明には、まったく新しい数学が必要になるのかもしれません。 コラッツ予想は、一人の数学者の、いわば思い付きから始まった、とっておきの数字遊びです。小学生にも理解できる内容でありながら、その証明は、現代数学をもってしても歯が立ちません。 果たして、コラッツ予想の証明には、まったく新しい数学が必要なのでしょうか? それとも、誰も気づいていないだけで、既存の手法で解ける問題なのでしょうか? はたまた、実は間違った予想なのでしょうか? その答えはまだ、誰も知りません。 ---------- NHK「笑わない数学」制作班 パンサー尾形貴弘が難解な数学の世界を大真面目に解説する異色の知的エンターテインメント番組。レギュラー番組としてNHK総合テレビで、シーズン1が2022年7月から9月まで、シーズン2が2023年10月から12月まで放送された。シーズン1はギャラクシー賞テレビ部門の2022年9月度月間賞に選ばれた。過去の番組はNHKオンデマンドやDVDで確認することができる。 ----------
NHK「笑わない数学」制作班