意外と知らない「いまでも純国産でPCを製造している主なメーカーはどこか」
「純国産のPC」「日本メーカーのPC」を選ぶ意味は本当にある?
「Dynabook」「LIFEBOOK」など日本有数のPCブランドですら再編が相次いだ背景には、家電量販店の店頭などで「国産のPC」が勢いを失ってしまったことが挙げられるでしょう。たとえばASUSに代表される台湾メーカーや、Lenovoに代表される中国メーカーの端末が家電量販店のPCコーナーで長年にわたり大きな存在感を示しています。 では「いまでも純国産のPCにこだわる理由」は本当にあるのでしょうか? 1つには、日本の環境に適した品質基準と検証が行われていることが挙げられます。たとえば2024年11月にノジマによる買収が発表された「VAIO」の場合、満員電車での移動を想定した堅牢性試験や、日本特有のホコリに対応した試験など、非常に厳しい品質チェックを行っています。 ■海外メーカーのデジタルデバイスの故障の多発例 無論、海外メーカーのPCが「堅牢性が不十分である」とは限りません。一方で一部の海外メーカーのデジタルデバイスでは、国内で実際に大規模リコールに発展した事例もあります。 たとえば2023年10月には徳島県の県立高校で、2020年度に配布された中国のChuwi(ツーウェイ)製のタブレット端末の故障が多発。約8億円をかけて配布された1万6500台の端末のうち、3,500台以上が故障したといい、県が謝罪を表明しています。加えて県は「故障台数はさらに増える可能性もあり、戻せるめどは立っていない」とも当時表明しています。 教育の現場でデジタルデバイスが故障した場合、生徒の学習の進捗に直接的な悪影響が生じます。このように「故障リスクを極めて低いレベルで抑えるべきデバイス」は純国産で統一する価値もやはり大きいでしょう。
いまでも純国産でPCを製造している主なメーカーはどこ?
では「いまでも純国産でPCを製造している主なメーカー」はどこなのでしょうか。具体例をいくつかご紹介します。 ■VAIO
VAIOは、かつてソニーのPCブランドとして国産PCの中でも圧倒的な知名度を獲得しました。しかし00年代半ばごろから収益性が大きく悪化し、2014年にはソニーから切り離される形で「VAIO株式会社」として独立。その後は営業体制を強化し、特に法人向けビジネスを強化。そして、2024年11月にはノジマに買収されることが発表されました。 ソニー時代から続く伝統としては、「安曇野FINISH」に代表される「高品質なPCの製造」が挙げられます。先にも述べた通り、日本の風土やPCの利用環境に合わせた開発や製品試験が行われ続けています。 ■パナソニック