〈サッカーU-22〉リオ五輪最終予選突破の秘密兵器はオナイウ!
カタールで開催されるリオ五輪男子サッカー・アジア最終予選が来年1月に迫ってきている。 前線のポジションを務めるのは、いったい誰か――。それが、決戦に向けて最終調整に入ったU-22日本代表の、焦点のひとつであるのは間違いない。 中盤から後ろの顔ぶれが定まりつつあるのに対し、攻撃のポジション、とりわけFWは多くの候補者が起用され、さまざまな組み合わせが試されている。 10日にドーハで行なわれたU-22イエメン代表との親善試合でも、前半は荒野拓馬(コンサドーレ札幌)と鎌田大地(サガン鳥栖)が2トップに指名され、後半はオナイウ阿道(ジェフ千葉)と金森健志(アビスパ福岡)が最前線で起用された。 さらに、コンディションを考慮され、この日は温存された鈴木武蔵(水戸ホーリーホック)も控え、今回は招集されていないが、スイスのヤングボーイズでプレーする久保裕也、Jリーグのベストヤングプレーヤー賞に輝いた浅野拓磨(サンフレッチェ広島)もいる。 スピード、高さ、決定力、テクニック、動きの質、突破力……と、それぞれの持つストロングポイントも異なり、誰を選ぶのか、誰と誰を組み合わせるのか、チームを率いる手倉森誠監督も、頭を悩ませているに違いない。 U-22イエメン代表戦の前半は、鎌田が2度の決定機を作り出したが、後半になってそれに負けじと同じく二度の際どいシュートを放ち、アピールしたのがオナイウである。 59分には相手ペナルティエリア内でこぼれ球を拾って素早くフィニッシュ。ゴール右上を狙いすましたシュートはぎりぎりのところで枠から外れた。68分には右サイドを突破してきた室屋成(明治大)のクロスに、高い跳躍力を生かしてヘディングシュートを見舞ったが、これもバーのわずか上を飛んでいった。 「ああいうところでしっかりと決められれば勝てたわけで、今日はみんなが同じぐらいの出場時間を与えられたので、こういうチャンスをしっかりとモノにしていかないと、最終予選のメンバーに残っていけない。そこを本当に強く意識していきたいと思います」 試合後、オナイウはそう悔やんだが、一方で、今年7月、U-22コスタリカ代表との親善試合でこのチームに初めて選出された時と比べると、チームの戦い方に慣れ、ボールを呼び込めるようになってきているのも確かだった。