【缶詰の安全性、知っておこう】気になる「BPA」の危険性も併せて米栄養士が解説
BPAの安全摂取量はどのくらい?
アメリカの一部の専門家は、摂取量を最小限に抑えるべきだと助言している。ガルヴェス医師が指摘する経済連携協定(EPA)の報告書によると、体重1kg当たり1mg未満、および1日あたり2μgほどの低用量でさえも人体に悪影響を及ぼす可能性が一部の動物実験で示されている。 BPAのリスクと安全性においては、金融庁(FSA)は現在調査中と言及しており、2018年9月以降、乳児と三歳未満の子どもの食品にはペットボトルやプラスチックの包装が禁止されている。 「どうして私たちは、人体の健康に潜在的な懸念をもたらす素材をいつまでも使用し続けるのでしょうか? 市場前の安全性試験や食品ラベルの透明性、代替品が実際に安全であることを保証することは極めて重要です」とガルヴェス医師。 現時点でイギリスでは、缶詰食品の約10%にBPAが使われており、アメリカでは依然としてより広範に使われているとのこと。2016年の報告書によると、アメリカで検査された缶詰の3つのうち2つにはBPAが含まれていた。また、2007年に米国疾病管理予防センターが発表した研究によれば、アメリカ人の約90%以上の尿中にBPAが検出されている。 (編集部注:日本では2024年5月現在、規制は設けられていない。厚生労働省の方針はこちら) ガルヴェス医師は、可能な限り新鮮な、または冷凍の野菜と果物を購入し、缶詰食品や加工品を避けるようにアドバイスしている。研究によると、加工や缶詰加工されていない新鮮な食品を選ぶことで、体内のBPA濃度を減らすことができるそう。また、BPAの含有量は食品によってもかなり異なることを念頭に置いておくべき。2009年にコンシューマー・レポートがスープやジュース、ツナ、野菜を含め、19種類のメーカー品に含まれるBPA濃度を測定した結果、BPA濃度がもっとも高かったのはインゲン豆とスープの缶詰であることが明らかになっている。