ロッテがコンテンツビジネスに参入、キャラクターの魅力を活かして日本市場で売上高100億円を狙う。事業責任者に聞いた“勝ち筋”は
日本の「IP」と韓国の「アセット」、それぞれの強みを活かす
「コンテンツビジネス事業」に参入した理由について、山田氏は以下の5つを挙げた。 ■ 1. ハードとソフトのバランスの良い事業展開 ロッテは韓国でホテルや百貨店、コンビニなどリアルでの顧客とのタッチポイントを多く持っており、これが強みとなっている。一方で、投資規模が大きい事業であり、ソフト面も含めたバランスの良い事業展開が課題となっていたことから、コンテンツ事業に参入した。 ■ 2. 短期で成果を出しやすい バイオ医薬等の先端素材事業は成果が出るまでに長い年月を要し、長期戦で取り組まなければならない。コンテンツ事業では、既存アセットを活かして相対的に短期で成果を出すような挑戦ができる。 ■ 3. ロッテのイメージを転換したい 日韓共に歴史がある企業ゆえに、ロッテに対して「古めかしい」「伝統的だ」といったイメージを持つ人が多く、日本では菓子・アイスのイメージが強い。コンテンツ事業を通して、新たな挑戦をするイメージへ転換していきたい。 ■ 4. 国際情勢への耐性強化 パンデミックや政治外交等の国際情勢に大きく左右されない事業基盤の強化の一環としてコンテンツ事業は有望と考えている。日韓関係は隣国が故にさまざま難しい局面もあるが、人々に心から両国のコンテンツを楽しみ、親しむ機会を提供することで日韓を結ぶ役割を果たしたい。 ■ 5. 日韓の両市場で優位性を出せる 日韓のハイブリッド企業であり、両国で高いブランド認知度を有するロッテであれば、マーケティングやコミュニケーションにおいて両市場で優位性を出しやすい。 好調なすべり出しを切ったロッテのコンテンツビジネス事業。日韓のシナジーを生かしたワンロッテ戦略から、新たなカルチャーが生まれてくるかもしれない。