達人が選ぶ「2024年を代表するスマホ」 ハイエンド/ミッドレンジで厳選した5機種を語り尽くす
島氏:「らくらくスマートフォン Lite」は出てきただけで価値がある
・推薦機種(ハイエンド)……motorola razr 50 ultra、Xiaomi 14T Pro、Pixel 9 Pro XL、AQUOS R9・推薦機種(ミッドレンジ)……らくらくスマートフォン Lite MR01 ミッドレンジの「らくらくスマートフォン Lite MR01」から。スマートフォンが普及して10年ほどたち、高齢の利用者がマイナンバーカードや決済を利用するのはもちろん、初期からの利用者も年齢を重ねています。ただ、市場では安価かつ大画面のモデルが数多く投入されている一方で、使いやすさの面でボリュームゾーンに刺さっているのか疑問でした。 そんな中で、大画面・低価格 ・SIMフリーで「らくらくスマートフォン」の新モデルが出てきました。ホーム画面に、アプリ名が大きい文字かつ省略なしに表示されているだけで価値があります。また、以前から「らくらくコミュニティ」というWebコミュニティーが続いているのも、この時代になって改めて評価したいところです。こういった立ち位置のスマホやホーム画面については、国内メーカーやキャリアがもっとフォローして欲しいところ。Pixelの新しいシンプル設定も、ホーム画面のアプリ名の省略があり見づらいので。 シャープのAQUOS R9は、「今までのAQUOSは何?」と言いたくなるほど各機能が進化しました。カメラ・サウンド・充電がハイエンドとして評価できる仕上がりになり、 “ほどよくハイエンド”として魅力的なプロセッサ性能と価格を実現しました。AIを留守電だけでなく、通話の防犯にも活用する瞬発力にも驚かされました。 Xiaomi 14T ProはiPhone 16と迷って選びました。昨年(2023年)のXiaomi 13T Proの時点で機能がかなり充実していましたが、デザインや日本語AI対応やデザインを含めて順当に進化しています。あと、10万円台前半のハイエンドのカメラは望遠からマクロまでのうちどこかを割り切りつつも快適な撮影体験を実現できるのかが重要ですが、きれいに撮れる撮影倍率、撮影距離が広めで穴が少なく、落ち着いて撮りやすいのも好印象です。 フォルダブルは「欲しい」と思えるものがあまりなかったのですが、motorola razr 50 ultraは「コンパクトな形状から現れる大画面」「自撮りや記念写真を高画質に撮れる」という、折りたたみに期待している機能をしっかりと実現しています。特に大型のサブ画面と底面が滑りにくい素材を採用した点は、珍しいだけでなく実用性を考えた良い設計です。 Pixel 9 Pro XLは、性能に対してやや高額ですが挙げました。理由の1つは、今年各社のAIを活用する中で、Pixelの機能やGeminiを日常の検索から各種処理の解決まで広く利用する機会が多かった点。もう1つは、今年は旅をしながら複数の機種の写真に加えて動画も比較撮影することが多かったのですが、広い焦点距離、近年のスマホのAIによる盛りもありながら派手すぎず無難に撮れること、夜間の動画もクラウド処理を含めて当たりのカットが出やすかったのが印象的でした。2024年という観点だと標準サイズで光学5倍を搭載したPixel 9 Proを挙げたいところですが、撮るのも見るのも大画面で快適という好みでPixel 9 Pro XLにしています。