達人が選ぶ「2024年を代表するスマホ」 ハイエンド/ミッドレンジで厳選した5機種を語り尽くす
佐野氏:「moto g64y」のようなキャリア売りローエンドは希少な存在
・推薦機種(ハイエンド)……Galaxy Z Fold6、Xiaomi 14T Pro、AQUOS R9 pro・推薦機種(ミッドレンジ)……Libero Flip、moto g64y 2024年を振り返ると、やはり各社「AI」機能を打ち出してきていました。一方で、石野さんもおっしゃっていた通り、「AIを搭載しても日本語に対応していない」という新しいローカライズの問題が出てきた年でもありました。そういう視点で、日本語対応が遅れたiPhoneとPixelは外しました。その上で、割と最初からAI機能を日本でも対応させてきたものを入れるようにしています。 ハイエンドの1台目は、AI機能をいち早く搭載したGalaxyです。その中で「Galaxy Z Fold6」を挙げたのは、現在の生成AI技術が、ビジネスユースやクリエイティブで評価されているから。要はコンシューマー向けではないんですよね。いろんな会社がコンシューマー向けにAI機能を用意していますが、結局すぐ飽きるものが多い。こうした機能をビジネスユースで生かせる端末となるとFoldだろう、という理由でチョイスしています。 「Xiaomi 14T Pro」はバランスのいいハイエンドで、なおかつAI機能を、そこまで多くはないものの、比較的日本に対応させていた印象でした。カメラの出来も、ハイエンドのなかでは評価が高い方だと思います。 AQUOS R9 proは入れるかどうか悩みました。皆さんがおっしゃる通り、Xiaomi 14 Ultraと方向性が近くて、もちろん“カメラ”はいいのですが、どちらもそのカメラが大きすぎて“スマートフォン”として見たときのバランスは、正直どちらも悪い。“スマートフォン”・オブ・ザ・イヤーとして、これはいいのだろうかという部分が引っ掛かりました。とはいえどちらかを入れようと思い、カメラとしての使いやすさや、ローカライズがしっかりされている部分を評価して、AQUOS R9 proの方を選びました。 ミッドレンジには、キャリア売りのローエンドだったモトローラの「moto g64y」と、フォルダブルを安くしてきたことで印象的だった「Libero Flip」を挙げました。どちらもキャリアモデルです。やはり何だかんだキャリアの影響力は強いと思いますし、特に今年はソフトバンクがいろいろな端末を頑張って出していたので、スマートフォン・オブ・ザ・イヤーとして直接は評価できないですが、その端末は評価したいと考えました。 実は、本当は「Redmi 12 5G」(※2023年12月発売)と「らくらくスマートフォン F-53E」(※2025年1月下旬以降発売予定)も入れたかったのですが、発売日が2024年ではないので入れられませんでした。Redmi 12 5Gの理由は「ローエンド」であること。いまエントリーモデルを出すメーカーがすごく減ってしまっていて、ぽっかり空いた穴にうまくXiaomiが入ってきていることに注目しています。一方、らくらくスマートフォン F-53Eは環境を変えたくないシニア層の方をしっかり守って、高いコストをかけてでも、継続して同じものを作ってきた姿勢を評価しています。