【ビジネス界で大注目】「両利きの経営」って何?今さら聞けない“超基本”「命名者」である経営学者が「世界的イノベーション理論」をやさしく解説
■「両利きの経営」はイノベーションの最重要理論 このように企業がイノベーションを起こしていくには、両面が重要なのだ。 まず「知の探索」で遠くの離れた知と知を組み合わせる。 他方、「探索」の結果うまくいきそうなものが出てきたら、徹底して深掘りして効率化する(「知の深化」)。 経営学ではこの両方をバランスよく行うことを「ambidexterity」と呼ぶ。私は「両利きの経営」という訳語をあてた。 いまや、この「両利きの経営」という言葉は、日本企業にかなり浸透している。多くの大手企業の経営会議で、この言葉が頻繁に使われているようだ。
この「両利きの経営」という訳語を作ったのは私だが、考え方そのものは私のオリジナルではなく、世界のイノベーション研究で長年、最重要視されてきた理論なのである。
入山 章栄 :早稲田大学ビジネススクール教授