100歳祝い金 廃止検討に賛否両論 中学生の給食費無償化の財源に「若い世代へ予算をシフト」岐阜・郡上市
CBCテレビ
岐阜県郡上市は「100歳の市民への祝い金」を廃止することを検討しています。 浮いたお金は中学校の給食費無償化のために使うということで、背景には、市長の危機感がありました。 【写真を見る】100歳祝い金 廃止検討に賛否両論 中学生の給食費無償化の財源に「若い世代へ予算をシフト」岐阜・郡上市 岐阜県郡上市に住む日置きとさん、御年100歳。 郡上市は、ことし11月に長寿のお祝いとして日置さんに10万円と花束を贈りました。 (日置きと さん) 「うれしいのと恥ずかしい気持ち。もったいないから早く使えない。毎日朝晩、拝んでいる」 日置さんはもらった祝い金の10万円は使わずに貯金しているそうです。 しかし、郡上市は来年度からは100歳を迎えた高齢者へ贈る10万円の祝い金を廃止することを検討しています。 一体なぜなのか。市長を直撃すると…。 (郡上市 山川弘保 市長) 「100歳以上の予算を若い世代へ回すのは、給食費の一部に充当させていただく。若い世代に懸けてみたい」 ■祝い金を廃止→中学生の給食費の財源に 現在、郡上市の公立中学校では、生徒1人あたり月に4600円の給食費を徴収しています。 しかし、来年度からは市内の全中学生約1000人分の給食費を無料にすることを検討しているのです。 実現するとなると年間約5500万円が市の負担となります。 そこで、現在も続く100歳の祝い金を廃止して、中学生の給食費の財源の一部として割り振ろうという計画です。 (郡上市 山川弘保 市長) 「若い世代へ予算をシフトさせて下さい。そういった思い切ったことをしないと右肩下がりの地域になってしまう。消滅可能性都市(の恐れ)は消えないだろう」 危機感を募らせる山川市長。 郡上市の人口は現在約3万8千人。 2050年には約1万7000人減少するとの推計もあり、このままのペースで人口が減っていくと、国が定めている「消滅可能性都市」の基準にあてはまるといいます。 ■若い世代への予算シフトに市民は… 仮に郡上市が10万円の祝い金を廃止した場合、捻出できる財源は350万円ほど。 他にも敬老会への交付金の廃止も検討中で、1700万円を確保できる計算です。 足りない3500万円については、一つ一つの事業を検証しコストカットしていく方針です。 来年3月の議会で市長が提案する方向ですが、この若い世代に手厚い予算シフトに郡上市民は…。