極上の技術とミニマルなデザインの融合! パルミジャーニ・フルリエを代表する3本【腕時計のDNA】
定番「トンダ PF マイクロローター」
スポーティシックは伝統装飾に豊穣の輝きを テレーニは、前職のブルガリでは20年以上に渡って時計部門を牽引し、現在の本格ウォッチメイキングの軌道を敷いた。そのキャリアを通し、タイムピースばかりでなく、ハイジュエラーの磨き抜かれた美的感性を併せ持つことはいうまでもないだろう。いまやブランドのシンボルとなった「トンダ PF」を見ればそれも一目瞭然だ。 プラチナ950製のベゼルには、トリック同様、モルタージュとも呼ばれる細密なローレット加工を施す。ブランド黎明期から続く、アイコニックな手彫り装飾だ。さらに側面が雫型になったラグには、自然界の生み出した神秘の美であるフィボナッチ数列による曲線を用いる。デイト表示を省いたミニマルな文字盤には、伝統的な装飾技法であるバーリーコーン(麦の穂)パターンの手彫りギョーシェを施し、さらに輝くゴールデン・シエナのカラーで彩ることでまさに豊穣の美しさが際立つのだ。 一体型ブレスレットを装備した「トンダ PF」は、ラグジュアリースポーツと呼ばれるスタイルではあるが、洗練を極めたコレクションをブランドではスポーティシックと位置づける。それはインフォーマルであり、デイリーユースにも応える、より現代的なラグジュアリーの新定義なのである。
通好み「トンダ PF ミニッツ ラトラパンテ」
時に追われるのではなく、追いかける独創機構 現代のライフスタイルに求められるユニークで革新的な機能とはなにか。ブランドが提案する答えのひとつが「トンダ PF ミニッツ ラトラパンテ」だ。 デイト表示を省いたシンプルなフェイスには、通常はロジウムメッキしたゴールドとローズゴールドの2本の分針を重ね合わせている。下方のローズゴールドの針は、ケース左側面の8時位置のプッシャーで5分、10時位置のプッシャーで1分毎に任意の位置にジャンプさせることができる。針はそこで止まる一方、ロジウムメッキの針はリアルタイムを刻み続け、セットした時間にカウントダウンする。そしてリューズと一体になったプッシャーを押せば、再び2本の針は重なる。 ラトラパンテはフランス語で「追いつく」という意味で、通常クロノグラフの割り針機能を差すが、これは設定した時刻に針をふたつに割ることができる、世界初のスプリットミニッツ機構だ。たとえばビジネスでのプレゼンテーションの時間管理や、イベントの進行スケジュールの管理といった予定時刻に向けた準備調整も視覚的に把握できる極めて有効な機能である。ラトラパンテのシリーズにはこの他、GMT仕様を揃え、こちらは二重の時針で時差を表示するトラベルタイムになっている。機構は似ていてもまったく異なる機能を備え、そんな意外性もパルミジャーニ・フルリエらしい。