ザウバー/アウディ、ドライバー人事絶賛悩み中? ベテランコンビにするか、若手を入れるか……まずはそこから決めるべきとビノット
ザウバーは、チームがアウディのワークスとなる2026年を目前に控えている段階で、2025年のドライバーラインアップに頭を悩ませている。既にベテランのニコ・ヒュルケンベルグとの契約は発表されているが、もうひとりのドライバーについては様々な候補者の名前が挙がっている状態だ。 【リザルト】F1ドライバーズランキング 当初彼らは、カルロス・サインツJr.の獲得を目指していた。つまり、ヒュルケンベルグと共に実績豊富なラインアップを形成しようとしていたのだ。しかしながら、将来的な戦闘力に疑問を感じたサインツJr.が移籍先に選んだのはウイリアムズ。チームは新たな候補を擁立する必要があった。 そんな中でザウバー/アウディ内でも組織構造に変化があり、元フェラーリ代表のマッティア・ビノットがアウディのCOO(最高執行責任者)兼CTO(最高技術責任者)に就任した。彼はドライバーラインアップに関する状況を出来るだけ早く解決したいと意気込んでいる。 しかしながらビノットは、そもそもアウディ内でドライバー選定にあたる方向性を定める必要があるという。つまりバルテリ・ボッタスのような実績と経験があるドライバーを選ぶのか、もしくはリザーブのテオ・プルシェールや現役のF2ドライバーであるガブリエル・ボルトレトのような若手有望株を選ぶのか、ということだ。 来季に向けたドライバー選びについて、ビノットはこうコメントした。 「私もここに来て数週間なので、それを聞くのは早いよ」 「ただ間違いなく判断を下すべきことがある。それは経験を追い求めるのか、それ以外のものを求めるのかということだ」 「このプロジェクトは長期的なものだ。したがってここから目標に向かうにあたって、何がベストなのかという点(が重要)だ」 「短期的には経験を優先してから、そこから違うものに移るのか? 決断を下す必要があるし、今の段階ではそれに答えられる状況にないと思う」 「あらゆるドライバーの意見を聞いているのは確かだ。何が長所で何が短所で、何が妥協点なのかを評価している」 そんなザウバーとしても、ドライバー選定のことばかり考えてもいられない状況でもある。今季のチームは大きく戦闘力を落としており、ここまで唯一の無得点でランキング最下位。パフォーマンスを解放することに取り組む必要があるため、ビノットはドライバーに関して決断をあまり先延ばししたくないと語った。 「間違いなく、出来るだけ早く決めるつもりだ。来年と将来のためにチームの体制を整える必要があるからだ」 「それに憶測が続く状況にも歯止めをかけたい。我々としては何の利益にもならないのでね。ただ今のところ、何かベストなのかは決断できていない」 ドライバー候補に関しては、ボッタスが残留するのが最有力だと見られているが、プルシェールやボルトレトにもチャンスがあるという。しかしながらビノット曰く、候補はそれだけでもないようだ。なお、過去にはミック・シューマッハーやリアム・ローソンの名前も噂されていた。 ビノットは次のように語る。 「テオは現在リザーブドライバーだから、彼は既にファミリーの一員だし、言うまでもなくリストに入っている」 「ガブリエルも今F2でかなり調子が良い。彼は素晴らしい才能を発揮しているので、我々も注目している。そして他にも多くのドライバーに目を向けている」 「我々が目を向けているのは、先ほど名前が挙がったドライバーだけではない。リストの中には、素晴らしいポテンシャルを持つ者、素晴らしい知識、経験を持った者が多くいる」 「繰り返しにはなるが、短期的、中期的、長期的に何が最も重要かを判断し、明確なプランを立てる必要がある。そしてそれについての答えは今の段階ではないということだ」 また選ばれるドライバー側としても、やきもきする時間を過ごしているだろう。昨年のF2王者であるプルシェールは、自分自身の実力を示すという点でこれ以上何ができるか分からないと感じている。 プルシェールは昨年末にスーパーフォーミュラのテストに参加した際、motorsport.comに対して「僕がF1に乗れる能力があるかどうかについて彼ら(ザウバー)が確信できていなかったとしたら、僕としては言えることはない」と話していたが、今回改めてこう語った。 「僕もそのことについて自問自答しているんだ。毎日ね。分からないんだ」 「サーキットではやれることをやった。確かに、F2参戦3年目でのチャンピオン獲得はあまり良いものではないと言う人がいるのも事実だ。でも僕は20歳でチャンピオンになったんだ。僕はF2でもF3でも最年少のウイナーだった。だからサーキットで何かを証明する必要はないと思っている」 「あとはチャンスが巡ってくること。それだけだと思っている」
Jonathan Noble, Oleg Karpov